お風呂と脳のいい話

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お風呂と脳のいい話

  • ISBN:9784487808298

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内容説明

脳科学者と温泉エッセイストの、あまりに異色な、あまりに刺激的な、対談エッセイ集。露天風呂の高揚感、入浴時の脳の活性化機能、脳のメンテナンス機能、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、男女の距離感、温泉と雑談力……などなど、お風呂と温泉の知られざる魅力を、脳科学という視点から明らかにします。たとえば、お湯について著者の茂木さんは次のように語ります。……「よくみんなは温泉の成分や効能がどうのこうのと言うんだけどね、脳に対する作用を考えるときに、そもそも大前提として、お湯って贅沢だったっていうことが大きいと思います。今の我々は蛇口をひねったらお湯が出るような生活しているけどさ。戦後すぐの日本の山の様子を見ると、鎌倉近郊の山は全部禿山だった。要するに、薪をみんな採っていたわけだよね。お湯ってものすごく贅沢だったわけ。そんなことは我々現代人は忘れちゃっているけど。」……と、お湯の贅沢さを脳が感じているかどうか、という鋭い指摘をされます。そして、お風呂がもたらす脳の活性化機能については、次のように語ります。……「お風呂に入ったりして、基本的に何かいわゆる感覚遮断の状態にするっていうのがとっても良いことなんです。感覚遮断、要するにあまり外からの刺激に注意を向けなくてもいい状態になると脳のディフォルト・モード・ネットワークというのが活動し始めてメンテナンス作業を始めるんです。ずっと気になっていたこととか、ちょっと整理出来てなかったことが浮かび上がってきたりして、整理できたりするんです。そう考えるとお風呂は単に温まってきれいになるという機能で捉えるだけじゃなくて、脳のデフォルト・モード・ネットワークをいかに活性化するかという場なわけです。そこでいろいろな発想をしたり、整理したりする。発想ー整理ー記憶の呼び戻しをひとつのセッションとして考えると、すごく何か工夫のしがいがあるんですよね」……このように、お風呂と温泉と脳をめぐって興味津々の話が続いていきます。その他、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、夏目漱石と温泉の関係、温泉と雑談力、大学と温泉の価値が逆転する時など、それぞれのテーマに沿って興味津々の面白い話が続いていきます。日本人に生まれてよかった!温泉万歳!明日からお風呂が楽しい!どうぞお楽しみに。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

美登利

56
装画がヤマザキマリさんです!実際は脳の話はそれほど出てきません。温泉エッセイストの山崎さんと茂木先生が温泉談議をしているというような、ゆるめの対談集です。羞恥心ってのは、誰でもあるのでよほど打ち解けてないと一緒にお風呂入ろうとは思わないですね。修学旅行でもみんなと入れない子供も増えてるそうです。経験が少ないと、温泉(銭湯)でのマナーなども培えないと思うので、家族旅行するときなどは、小さなうちから大浴場での立ち振る舞いを親が教えないといけないと思います。ああ、この本読んでたら湯治に行ってみたくなります。2014/08/19

T2y@

37
信州 渋温泉の宿にて、蔵書を拝読。お二人の対談エッセイ形式で湯上りにリラックスして読むのに丁度良い、さらっとしたボリュームでした。2020/07/05

けんとまん1007

23
まあ、お風呂に入る、自宅でもそうだし、温泉・銭湯だと一層思うことがある。ゆったりして、リフレッシュできるということ。そうすると、気のせいか、落ち着いてものごとを考えることもできるように思う。そんなことの裏づけも少しあるかなあ~。茂木さんのお話は、いつも興味深く思うが、今回は、少し薄まっているような気がするのは、この本の構成を考える地、いたし方ないのかもしれない。2015/08/01

anco

16
お風呂や温泉についての雑談本。欧米のホテルと日本の旅館の違いについての話がおもしろかったです。ヨーロッパは個人主義に徹底した部屋のつくりになっている。温泉旅館はひとつの部屋に10人とか。これは日本人の持っている距離感を表している。コンシェルジュは指示待ち、「おかみ」っていう概念がない。日本の旅館は高ければ高いほどリラックス数値が上がっていく。外国の高いホテルは高いほど緊張感が漂う。そこを突きぬけていちばんハイクラスになると皆リラックスしている。カジュアル化の最先端は旅館。2015/09/09

りえこ

13
温泉やお風呂に関する知らなかった事が沢山書いてあって、とても面白かったです。温泉に行きたくなりました。2022/12/03

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