単行本<br> バージェス家の出来事

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単行本
バージェス家の出来事

  • ISBN:9784152094599

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内容説明

やり手の企業弁護士ジム。ばかにされながらもジムを慕う、温厚な弟ボブ。ニューヨークで暮らす二人のもとに、ある日、故郷のメイン州に残ったボブの双子スーザンから電話がかかってきた。スーザンは一人息子ザックが事件を起こしたと言い、助けを求める。久しぶりに生まれ育った町に帰ることになるジムとボブ。しかしそれをきっかけに、三人きょうだいの固まり切った関係は根底から揺るぎはじめる。/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

275
【原書】バージェスboysのboysは誰を指すのか、ずっと考えながら読んでいた。優秀な長男のジムと、彼とひきくらべていつもバカにされてた(でも人間力は一流)の次男はともかく、彼らの父親も?ボブと双子のスージー(こちらもツイてない人生)の息子ザックは姓が違うけれど、広義のバージェスboyなのか。父親の事故についての兄弟の会話には鳥肌が立った。家族の孤独・サポート・それに伴う煩わしさ、メイン州と大都会ニューヨークの対比、移民問題...。筆者のメッセージがギューっと詰まった作品。改めて上手い作家だなぁと思う。2017/08/12

ケイ

105
原罪とは何だろう。キリスト教によれば、みな罪を抱えて生まれてきたらしい。だから、キリストが原罪をもつ子供達の罪を背負ってくれているようなのだが。バージェスboysの背負う原罪、罪の意識に対し、神の子はどうしてくれるのだろうか。子供にそんな罪悪感を持たせるなんてこと、親は絶対にしてはいけないのだと思う。キタリッジがその筆力をもって描き出すものに書ける感想なんて…、文章にできない。感動とか、すごいとか、そういうレベルを超え、ただ唖然とするしかない。2017/06/16

なゆ

87
オリーヴ・キタリッジの話が好きだったので、こちらも読んでみる。確かオリーヴの方で何度か“息子があんな事件を起こした気の毒な家族”みたいに言われてたような気がして、この事だったのか〜と。メイン州の小さな町生まれのバージェス家の物語。大人になりニューヨークで暮らすジムとボブの元に、故郷で暮らすスーザンの息子が事件を起こしたと連絡が入る。ジムの妻、ボブの元妻たちから見たバージェス家、いい味だしてるドリンクウォーターさん。アブディカリムの「あの子が無事でありますように」の言葉がたまらない。赦せるってすごいことだ。2021/09/14

mii22.

76
感想がとても難しい。だけど、とても惹かれる作品だ。バージェス家の兄弟たちが背負ったものの大きさ重さを思うと、人生の修正書き換え上書きはそう簡単には出来ないものだと思う。人は歳を重ねるごとにいろいろ背負うものが増えてくる。ひとつ荷を下ろしてもまた背負い込む。その繰り返し。何事もそううまくはいかないものだ。愛することより赦すことの方が難しいとも思う。この物語は心をえぐられるほどではないが身につまされることが多い。チクチク刺される。でも最後は前向きになれる。ちょっと笑顔になれる。2018/11/15

アン

57
父親の自動車事故から運命にとらわれた一家。兄弟を中心に、妹、その妹の息子が受けた影響を、メイン州の町とニューヨークを行き来しながら描いた物語。移民問題にもふれ、複雑な人間関係にスポットを当てています。人生とは季節の風景のように変化するものであり、心の底にある声に耳を傾け、糸を紡いでいくようなものなのかもしれません。灯火を見失わないように。 2018/12/06

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