内容説明
ふと入った喫茶店で突然、独身の娘のおまけつきで喫茶店をやらないかと誘われた柴田は……!?(「ミッキーは谷中で六時三十分」)。翻訳家の西野は打ち合わせの時も、建て替えの相談の後も、母が亡くなった日も、いつもの店でコーヒーを飲んだ(「タリーズで座っていよう」)。東京の街を舞台に記憶と言葉、男と女を描いた魅惑の7篇。今こそ片岡義男を読むべき時であることを印象づける、鮮やかに研ぎ澄まされた作品集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wonderhoney
35
みんなコーヒーを飲む。とても穏やかな文章で、日常からちょこっとはみ出た場面。ほんとにちょっとだけ非日常。偶然が偶然を呼んで。もしくは、自分で呼んできてたり?? のんびり、でも、ちょっとひっかかる。そんな物語でした。2016/08/17
SOHSA
30
《kindle unlimited》2013年から14年にかけて発表された7つの小説からなる短編集。片岡義男の短編はどれも軽快で読んでいて快適な気分になれる。それぞれのタイトルも片岡らしくて素敵だ。私は個人的に片岡小説は夏に読みたくなり、夏という季節がよく似合う小説だと感じている。特に夏が間もなく終わるような頃合いの季節に。だが今年は季節のほうが変だ。夏なのに以前の夏らしくなく、単に暑かったり高湿だったり突然の集中豪雨だったり。片岡義男の小説によく似合う日本の夏がまた訪れてくれることを願ってやまない。2024/08/30
おいしゃん
25
初読み作家。古風でまわりくどい書き方に、表題作でもある一つ目はある意味新鮮に読めたが、それ以降はそれ以上の感想も浮かばず…。2020/12/17
ほほほ
25
7つの短編集。『ミッキーは谷中で六時三十分/三人ゆかり高円寺/酔いざめの三軒茶屋/お隣のかたからです/タリーズで座っていよう/吉祥寺ではコーヒーを飲まない/例外のほうが好き』自立した自由な大人たちの東京散歩物語。コーヒーは絶対に欠かせない。自分らしささえ確立していれば、どんな偶然だって必然になりうるんだな、と思いました。目を疑うようなシュールな会話や出来事もちらほら。サザエさんやウルトラマンのお話、カレーのお話などは読めて嬉しかった。楽しめました。2015/06/11
onasu
24
タイトルに惹かれて、久々に片岡さん。それでも読み出してすぐに、やっぱりこの方の作品だ、なんて思うのは一定の年齢以上か。あえて言えば、登場人物が幾分歳を取ったよう。 「谷中で〜」は、表題にして巻頭の一編。例によって、このやり取りないよな、それに中々谷中に行かないし、とは言わずもがな。他には、世田谷区内、小田急線沿線を舞台にしたものが多い。お住まいがこの辺りなのか。最近も行ったところなので、街の風景が浮かんできて楽しませてもらえた。 何らかの合間に一編ずつ、気がついたら残りわずか、何て読み方もいいかも。2014/10/22
-
- 電子書籍
- 国語学習の基盤となる情報を活用するスキ…
-
- 電子書籍
- 転生★キャバクラ三国志【フルカラー】【…
-
- 電子書籍
- レイヴンエンドの人びと【分冊版】 5 …
-
- 電子書籍
- 色のカラクリ 読むだけで仕上がりに確か…
-
- 電子書籍
- comic RiSky(リスキー) V…