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内容説明
新潟中越地震での工場被災をきっかけに経営危機が表面化、2006年に米ゴールドマン・サックスグループ、大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の金融3社から3000億円の出資を受けた三洋電機。その後、携帯電話、デジカメ、白物家電、信販といった事業は切り売りされ、本体はパナソニックに買収された。散り散りになった旧経営陣は今何を思い、10万人の社員たちは今どこで何をしているのか。経営危機の渦中、同族企業の混乱を克明に取材し、その後も電機業界の動向を見続けてきた新聞記者が、多くのビジネスパーソンにとって決して他人事ではない「会社が消える日」を描く。
目次
第1章 再会―井植敏は『ゼロ』を読んでいた
第2章 決断―中村邦夫はなぜ動いたのか
第3章 抵抗―野中ともよは「地球を守る」と言い放った
第4章 一歩―「ニーハオ」から始めよう‐ハイアールに買われた人々
第5章 覚醒―こうやって黒字にするのか‐京セラに買われた人々
第6章 意地―最後の1個まで売り切ってやる!‐校長に転身したマーケター
第7章 陥穽―私はこれで会社を辞めました‐セクハラ疑惑をかけられた営業幹部
第8章 贖罪―「首切り」が私の仕事だった…‐高額ヘッドハントを断った人事部長
第9章 自由―淡路島からもう一度‐テスラを駆る電池技術者
第10章 転生―「離職者再生工場」の可能性‐ベビーバギーを作る生産技術者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
229
三洋電機10万人のそれからを追った本である。なぜ三洋電機は「消滅」しなければならなかったのか、そして辞めた9万人はどうしたのか。日本において、創業家はなぜ資本家になれないのか…日本が抱える根本的な課題を読者に教えてくれる。ハイアールに買われた人、京セラに買われた人、罠にはまった人、人減らしを担当した人事…ここにはまさに日本の電機メーカーの今がある。縮み続ける企業とそこで苦闘する人々のルポには心うたれる。「会社が消えても人生は終わらない」心で前に進もうというほのかな希望のようなものがあり、救われる本だった 2015/01/10
Kawai Hideki
93
非常に読み応えアリ。2011年に上場廃止になった三洋電機とその従業員の物語。10万人の社員のうち9000人がパナソニックに残留、9.1万人は散り散りに。買収前後の経営トップの動向もさることながら、渦中の従業員の話が興味深い。行方不明になった技術者、他社に買われた人々、民間公募の校長に転身したマーケター、セクハラ疑惑に陥れられた営業幹部、リストラの贖罪の日々を送る人事部長、電気自動車に新しい夢をかける電池技術者、ベビーカーでモノ作りの原点に還る生産技術者等、苦労はしているが新天地で頑張る姿を頼もしく感じた。2014/09/28
えちぜんや よーた
92
「読み物」なので登場する会社がキャラ立ちしている。三洋電機→「悲劇のヒーロー」。パナソニック→「進駐軍」。ハイアール→「意外な救世主」。サムスン→「謎キャラ」。分かりやすかった。2015/11/03
きみたけ
89
三洋電機がパナソニックに゙買収され上場廃止になるまでのプロセスと、元三洋電機社員の再生を追った2014年発刊のルポ。著者は日本経済新聞社編集委員の大西康之氏。本書は2006年に日経BP社から出版した「三洋電機 井植敏の告白」の続編にあたる。後半の元三洋電機社員の話では「会社が消える」という絶望的な状況から立ち上がった人々の姿に勇気と希望を感じました。わたし自身が合併される側の子会社にいたことがあり、三洋さんほどではないが会社がなくなる一連の寂しさや悲哀を体験しており、本書に共感しました。2023/10/29
おいしゃん
87
三洋電機。自分にとっては、あまり馴染みのないまま、消えてしまった会社であるが、なぜ消えることになったのか。地味ながら、どれだけ多くの優れた製品と技術者があったか。読み終えてよく分かった。止む無く退職していった社員たちが、路頭に迷った後、畑違いの会社でも技術者魂を忘れない姿には、さすがだなぁと胸が熱くなった。2015/04/18
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