内容説明
彼女が消えた。一冊の本とともに。
小学校の教師をしている25歳の研介。ある日、恋人の品子に一冊の本が届くと、彼女は失踪した。本の贈り主は品子が以前話していた「忘れられない初恋相手」なのか? 場面は変わり、中学2年生のしなこは敬愛する小説家、日向の家に通っていた。日向には、海人という不登校の孫がいる。彼は本をばらばらにする謎の行動をしており、その取っつきにくい性格に初めは馴染めなかったしなこだが、徐々に交流を深めていく。
舞台は夏、物語は、大人のパートと中学生のパートが交互に進んでいく。品子はなぜ失踪したのか? ふたつの物語は終盤で見事に絡み合い、“目をつむって走り抜けると10年後の自分が見える”という伝説のある「未来坂」でのエピソードにつながっていく……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
53
読み易いけれど内容は割と薄かったような気がします。サラッと読めるのでその点は良いですね。序盤△中盤○ラスト○2014/07/05
よっち
46
結婚に対して煮え切らないままの小学校教師研介は、その恋人品子が謎の男から届いた一冊の本をきっかけに失踪し連絡不通に。それと並行して描かれる中学生しなこと海人が出会うふたつの物語。彼女とのやりとりを思い出したり、周囲の変化をきっかけに、改めて品子への想いを自覚していく研介。一方でしなこと海人の初々しいやりとりや、品子の「運命の出会い」という言葉に不安を煽られますが、失いたくない大切なものにはやっぱり行動起こさないとですよね。意外な展開にちょっとやられたなと思いましたが、爽やかな読後感を感じられる物語でした。2014/08/27
七色一味
36
読破。タイトルと表紙が無いわ。まぁその辺りは目をつぶるとして、と読み始めてみたけれど、なんだか中身が軽いというかなんというか…。物語を構成しているもの全てが「うそ臭く」感じるという、身も蓋もない感じで、読んでていたたまれませんでした。2015/05/03
カピバラ
36
ダヴィンチの広告に惹かれ、読みましたが、なかなか読みやすかったです。しかしながら、ラストはなーんだという気持ちに笑。あっさりしすぎてたから、読み応えがなかったのかもしれない(^◇^;)なんだか、読み終わって、気持ちは優しくなれました。2014/11/15
とらこ
26
図書館で目に付いたので読んでみる。重くもなくサラリと読めた。結婚という人生の分岐点。今のところ結婚する予定も気配も無いのでキャラたちの心情を正確には理解出来てないと思う。それでも適齢期をゆっくりと、でも確実に過ぎつつある訳で友人達も焦り、それに感化される私もしばしば心を乱されたりする。目を背けている課題について考えさせられるお話でした。2014/11/13