内容説明
京都の旧家で”そこはかさん”と呼ばれる”家霊”に出会った、女子大生・美代ちゃん。その謎を巡って舞台は夏の富山から英国の大邸宅へ! 美代ちゃんの旅は続く。第8回「幽怪談文学賞短編部門大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
90
幽霊でも妖怪でもない、古い家に住み着いているモノ。まっくろくろすけかと思ったら、案外因縁めいたものがあるようで…。京都、立山、英国をそれぞれ舞台とした連作短編。種麹屋とか薬種屋とか面白そうな設定が活かされてなくて残念。不思議な存在を曖昧に受け止めることを描きたかったのだろうが、曖昧すぎたり説明不足でわかりづらい箇所も多く「それはあとで」とおあずけばかり。う〜、もやもやと不満が残る。2017/08/05
鷺@みんさー
46
旧い家には、不思議なこまいもんがおって、悪戯したり、時には命を助けてくれたりする。それらはまっくろくろすけと呼ばれていたり、そこはかさんと呼ばれていたりする。ちなみにアクセントは「そ」ではなく「さ」に付ける。ホラーミステリ短編連作の形式で、ミステリとしてはちょっとわかりにくいのが難点。結局どないなんかようわからんかった。「あやふやが味」というのでは、無くてね。とは言え京都弁多数ちりばめた語り口、出てくるキャラもみんな味があり、著者の建築やアンティークに対する愛もひしひし感じられる。ラストはうるっと来た。2020/09/23
らむり
43
幽怪談文学賞受賞作を含む連作短編3本です。最初の2作品は面白かった。座敷童系のアヤカシが出てくる、というだけで、ホラーとか怖いお話ではありません。双子の弟妹が可愛い!2014/06/08
ミーコ
37
初読みの作家きでした。怪談文学短編部門大賞受賞作と言うのにひかれて読みました。不思議なお話でした。ストーリー的には 微妙かも・・・ もう少し怖いのを期待してました。ホラーと言うより ファンタジーっぽいようなー?2015/02/03
キキハル
31
京都の旧家にはあるかないか分からないものが棲みついている。見えたり見えなかったりするそれは「そこはかさん」と呼ばれるもの。深く考えると陰惨な内容なのだが、全編を流れる柔らかな京都弁がうまく覆い隠しているようだ。美代の逞しい明るさや、無邪気な双子の可愛らしさが微笑ましい。英国にまで話を拡げ作り過ぎの感はあるけれども、蒔いた種はきちんと刈り取ってもいる。でも小物使いがちょっとぎこちない。あと一歩、ユーモアにするのか、恐怖を深めるかするとより面白くなる気がする。悪くない読後感なので、次作にも期待です。2014/07/07
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