内容説明
巻二の補遺及び、巻五から巻七までを取り上げる。巻五は、『万葉集』全二十巻の中でも特異であり、大伴旅人と山上憶良の二人に尽きるといっても過言ではなく、しかも、濃密かつ心に残る和歌の抒情の魅力が詰まった巻として有名。『万葉集』の面白さを存分に感じる一冊。
目次
万葉集 巻二〈補遺〉
万葉集 巻五
万葉集 巻六
万葉集 巻七
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
44
第二巻は巻二の補遺と巻五~七まで。巻五はいわゆる‘筑紫文壇’で、歌だけでなく書翰や漢詩、散文も収められている異色の巻。梅花の歌三十二首も良いけれど、憶良が旅人に贈った破天荒な死生観が語られている‘日本挽歌’を含む一連の超大作(弔慰文)が気になって仕方ない。内容どうこうよりも、旅人の妻の死から何十日もかけて練り上げた作品という背景に惹かれる(旅人がこれを受け取ったときにどう思ったのかという大岡氏の考察が面白くて!)。筑紫文壇楽しいなぁ。2018/12/05
かふ
16
第2巻(補遺)相聞、第5~7巻。第5巻は、「令和」の語源になった「梅花の宴」とその主催者であった大伴旅人ともう一人の万葉歌人の中心人物山上憶良中心。「梅花の宴」は中国の詩宴を日本で模倣し、日本化された風雅意識の意味づけ、歌合や連歌の和歌伝統がここから始まる。漢詩ではない「ヤマトの文学としての和歌」の自覚的表現があり、「和する歌」という本質的属性がここに現れている。「桜を見る会」もこのぐらいの気合をもってやっていたら良かったのかもしれない。芸能人ばかり集めても、そこまでの芸はなし。2021/02/07
わたなべよしお
12
「ニ」で特筆すべきは万葉集巻五ですね。ほぼ太宰府時代の大伴旅人と山上憶良の作品で占められている。なんてことは全く知りませんでしたが、この二人、そして太宰府での「梅花の宴」などは、日本文学史上の画期になったという指摘は腑に落ちます。(他の専門家がどんな評価をしているのか、浅学ゆえ知りませんが)さすが大岡信さんです。 2026/07/12
りー
11
第一巻の酒讃歌で大伴旅人がすっかり気になる人に。55歳で隼人の乱鎮圧の大将軍。不比等さえいなければもう少し出世したのかも?63歳で長官として赴任した太宰府で出会う山上憶良たちとの関わり・・・大岡さんの解説から想像したのは、きっとため息つきながらも受け入れる懐深い上司の旅人と、すっかり「貧窮問答歌の熱い官人」→「能力高いのに自分酔いする癖のある部下」に上書きされた憶良。都から遠く産声をあげた抒情文学。和歌とその解説を読みながら、1300年の時を越えて歴史物語だけでは分からない部分に血が通った感じでした。2019/01/11
はちめ
7
三読。山上憶良の漢文を万葉集に採用したのはやはり家持だろう。家持は旅人の太宰府時代に憶良に会っているので、その人となりを良く知っているはずだ。家持はまだ少年時代だったということもあるし、憶良は他の貴族たちとは全く違う人となりだったろうから強烈な印象が残っていたと思う。憶良が家持に与えた精神面での影響に関する研究はあるだろうか。案外面白い視点かもしれない。2022/08/16




