ハヤカワ・ミステリ<br> ネルーダ事件

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ハヤカワ・ミステリ
ネルーダ事件

  • 著者名:ロベルト・アンプエロ【著】/宮崎真紀【訳】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 早川書房(2014/07発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150018832

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内容説明

南米チリで探偵をしているカジェタノはカフェで、この稼業を始めるきっかけとなった事件を思い出していた。それは1973年、アジェンデ大統領の樹立した社会主義政権が崩壊の危機を迎えていた時のことだった。キューバからチリにやって来たカジェタノは、革命の指導者でノーベル賞を受賞した国民的詩人ネルーダと出会い、ある医師を捜してほしいと依頼される。彼は調査を始めるが、ネルーダの依頼には別の目的が隠されていた。メキシコ、キューバ、東ドイツ、ボリビアへと続く波瀾の捜索行。チリでベストセラーを記録した話題作。/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

80
【「男祭り」参加】チリの元大臣ネルーダの依頼で、わずかな情報をもとに世界中を駆け巡ることになった新米探偵カジェタノ。共産主義がまだ大きな力を持っていた時代、チリは、混沌の中にあった。アジェンダ大統領もネルーダも実在の人物で、この作品は、人民のための社会主義を推進するアジェンダ大政権がクーデターで倒される直前に始まり、クーデター後のネルーダの死で終わっている。ネルーダの指示も、彼が探す謎めいた相手も、すべてが混沌の中にある。そういった混沌の中をさまよった末に、カジェタノは、一流の探偵となったのだ 2019/06/26

藤月はな(灯れ松明の火)

47
カジェタノが「メキシコでメグレやポアロをしても様にならない」という所は笑えたし、ラストはガルシア・マルケスの『戒厳令下チリ潜入記』ばりの緊迫感が伝わってきていいのですが・・・。いかんせん、詩人、ネルーダの自分を悲劇のヒーローにしなきゃ気が済まなく、死に際になってから全てを後悔して許しを乞おうとする甘っちょろさが透ける、最低な人間性に虫唾が走って仕方ありませんでした。男って本当に一定確率でどうして救いがたいロマンチスト馬鹿が多いのでしょうか(怒笑)女は決めたら過去は切り捨てて前を向くものなんだよ、馬鹿者め。2014/10/27

白玉あずき

42
アジェンデ政権・ネルーダとなれば読まずにはいられませんぜ。派手な殺人事件やらあっと驚くような詐欺などは一切登場しません。ごく普通の青年がネルーダに依頼され、メグレ警視のシリーズを教科書として学びながら人探しをするという、大変地味なストーリー。アジェンデ政権末期のチリの政情や、キューバなど冷戦構造真っただ中の南米の雰囲気を楽しむために読んだようなものですが、ネルーダの女性関係についてはほとんど史実らしい。チリなど南米の軍事クーデターについて、「ミステリー」で読むよりもちゃんとした文学作品で読みたくなった。2019/03/30

りつこ

29
南米ミステリ!不安定な政情、誰が敵か味方かもわからず電話は盗聴され身柄を拘束されるかもしれない。そんな中、国民的な詩人の望みをかなえるため奔走する素人探偵。スリリングだけどここに描かれるチリがフィクションでないことにぞくっ。巻き込まれ翻弄される面白さと、男としては最低だけれど魅力的なネルーダと彼の回想と詞の面白さ。他にないようなミステリで面白かった。2014/08/07

M H

27
1973年、キューバからチリにやってきたカジェタノはノーベル賞も受賞した詩人ネルーダから医師を捜すよう頼まれる。えー、失敗談になりますが当時のチリ情勢とネルーダの業績に詳しくない場合は訳者あとがきから読むのがオススメです。実話と創作が入り交じる本作、何も知らずに読み始めたらネルーダがクズすぎて話が頭に入らない(涙)女の捨て方も後で正当化したがるのも無理っ。その偉業と国民からの敬愛を前提にした裏面史的な作りに混沌に満ちた探索が絡む濃密さ。私には難しかった。2023/02/12

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