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内容説明
人間の幻想と欲望が、貨幣を生み出し消滅させる
金と一万円札と電子マネーは、どこがどう違うのか? 続々と登場する「仮想通貨」は国家通貨を脅かすのか? バブルやハイパーインフレはお金につきまとう必然なのか? ハイエク、ケインズなどの論を踏まえつつ、貨幣が持つ不思議な原理と振る舞い、市場や国家との関係、貨幣と資本主義の未来までを徹底的に論じる。圧倒的な貨幣論!
序章 貨幣という謎―貨幣がわかれば経済がわかる
第1章 お金は「もの」なのか「こと」なのか―貨幣と市場を再考する
第2章 「観念の自己実現」としての貨幣―日銀券とビットコインは何が違うのか
第3章 貨幣につきまとう病―バブルとお金の関係
第4章 なぜ資本主義は不安定になるのか―ハイパーインフレと投機を考える
終章 資本主義の危機と貨幣の「質」―どのお金が選ばれ、生き残るのか
目次
序章 貨幣という謎―貨幣がわかれば経済がわかる
第1章 お金は「もの」なのか「こと」なのか―貨幣と市場を再考する
第2章 「観念の自己実現」としての貨幣―日銀券とビットコインは何が違うのか
第3章 貨幣につきまとう病―バブルとお金の関係
第4章 なぜ資本主義は不安定になるのか―ハイパーインフレと投機を考える
終章 資本主義の危機と貨幣の「質」―どのお金が選ばれ、生き残るのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
23
貨幣というのは、過去から未来へ継続する確信の中で価値が認められていくもので、「観念の自己実現」という説明は非常にわかりやすかった。商品貨幣説をふまえつつ、そこに固執せずに岩井克人氏や制度貨幣説にも触れられていた。今は昔の「モノ」的価値はほぼなく、「コト」の部分が大きくなっており、ひとえに先進国間の長い平和も寄与していると思った。2020/09/17
1.3manen
23
仮想通貨が過日ニュースで話題となった。 経済とは、認識と行動を通して生じる システム(15頁)。 グローバリゼーションでは誰もが 金儲けに積極的に利殖家や投資家 になることを強いられる(31頁)。 この強いられる、という他律的なのが 市場至上の特徴なのかもしれない。 自律的ではないと思う。 稀少資源を最適配分することが 経済の本質とするのは、 ライオネル・ロビンズ(87頁)。 2014/05/28
KAZOO
18
題名からすると貨幣についての論点が中心でさらに最近話題になったビットコインについての本であると思いましたが、範囲がかなり広くなっています。資本主義の今後についてまで敷衍するのであればもう少し大分な著作にしてほしいと思いました。ビットコインについてももう少し詳しい説明がほしい感じがしました。貨幣に代わるものということであれば、様々な商店などのポイントなどの観点についても詳しく述べてほしい感じがしました。」2014/06/08
みねたか@
15
お金とは物理的な「もの」だけでなく、慣習や伝統,観念に支えられた社会的な「こと」。すでに貨幣は、情報やデータ、あるいはそれらを処理するプログラムへと純粋化しつつあるという。そのうえで,貨幣のあり方を変える事は、市場や経済のあり方はもちろん、文化や倫理を変えることにつながるもので,今後,従来にない非経済的な利用動機~社会的、文化的、自然的~を提供しようとするものが出現し、そのいくつかは生き残るのではないかと予見。冷たく無機質なお金の観念が温かみと繋がりをあらわすものに思えてきた。2018/05/22
nekozuki
10
貨幣が貨幣たり得るのは、「観念の自己実現」に基づく。つまり、今、流通している通貨が貨幣である理由は「それが貨幣だとみんな信じているから」。実は、貨幣はなんだっていい。ビットコインについて、調べる延長で手に取ったけれどよかった。ただ、現在の貨幣が流通し始めたのには、政府の役割は大きかったと思う。法的に通貨として指定されることで(当初は金との交換が約束されることで)、流通の信頼が強化されたことは間違いない。仮想通貨の普及にとっては、ここが一番問題な気がする。2015/01/12




