内容説明
僕が書店で一目惚れした美しい女性・高野秋。彼女は左手首にいつもふたつの時計をはめている。そして僕は気づいてしまった。彼女にきざす孤独の影に…。ふたつの時計に隠された、重大な秘密。恋人たちを襲う衝撃の真実とは?日常の謎から人の心の綾をロジカルに解き明かす、異色の恋愛ミステリー。東川篤哉によるショートショート「鵜飼と朱美のまっすぐ進まない解説」収録 。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きっしぃ
50
連作短編集。恋愛要素ありつつの、日常の謎のロジカルな解決。左手に二つの時計を着ける女性、居酒屋で二本のワインをあける男女などを、人間の心理から見事に推理しちゃう川端くん。なかなかブラックなオチもあったけど、最終的には良いラスト。表紙からは、こんなストーリーだと思わなかった(笑)川端くんと高野さんの関係が素敵。左手に時計二つ着けたら、わたしも川端くんみたいな人と出会えたりしないかなー(笑)2017/11/02
aquamarine
36
日常の謎を解いていく連作短編で、こういうお話は大好きです。でも謎が日常のものにしては少し重いですね。この物語は実は綺麗なラブストーリーでもあります。彼女が隠していることが気になって、一気に読んでしまいました。二人が幸せにまっすぐ進んでいくために、それがたとえ正しい答えでなかったとしても、彼は必要な答えを出してくれるにちがいありません。解説が東川篤哉さんなのですが、鵜飼探偵と朱美の会話で進むショートストーリー仕立てになっていてとても楽しく、得をしたような気持ちになりました。2014/07/14
ピップ
35
童顔主人公と暗い過去を持つ高野さんの恋愛ミステリー連作短編。問題提起され、解決すべきポイントを洗い出し、可能性をつぶしていく、といういつもの石持さんらしい小説でした。今回は、それはありえんだろ、という結末もありましたが、全体的にはおもしろかったです。正解かどうかはわからないけれど、納得できて幸せになれる推理というのは、優しい感じでとてもよかったです^^2023/03/02
信兵衛
32
真っ直ぐに前を向いて進む、というのは中々できることではありません。それについて行こうと決めた人に、エールを送りたい。 2020/08/30
すたこ
31
★★うーん、個人的に苦手なタイプの1冊。連作短編集の恋愛ミステリー。主人公たちの論理的思考が小難し過ぎて、全然入ってこなかった。ラストのお話はちょっと驚く感じで面白く感じたけど、やっぱり苦手だった。本来なら12月には読み終わりたかったけれど、どんどん長引いてしまった。。。2018/01/09