内容説明
小学校6年生の夏休み。僕たち5人は、湖での肝試しで、ある不思議な「光」を見た。それがすべての始まりだった--。5年後、高校2年生の夏休み。僕(ヒロ)は、一人で映画を見に行った街中で、奇妙な体験に襲われる。仲間のトシと、引きこもっているはずのミチオ、そして名前も知らない「もう一人」が急に目の前に現れたのだ。彼らは僕のことを「ハカセ」と呼び……そこで幻視はパチンととぎれ、気がつくと、さっきの雑踏の中に一人で立っていた。この「ジャメ・ビュ(未視感)」が序章となり、周りの仲間たちにも不思議なことが起こり出す。あの夜、「光」を見たのは、5人ではなく、6人だったのではないか? そう思い出した僕は、友だちから彼女になったハム子や、ミチオに話を聞いてみる。すると、二人は、「光」を見た夜に、それぞれ、秘密を持っていることがわかった。その後、大けがをしたトシの見舞いに行った病院で、僕はサラと再会し、すべての奇妙な現象の原因が彼女にあると確信する……。松本清張賞作家が、思い入れのある土地、津久井湖・橋本を舞台に、新機軸に挑んだ「SF青春小説」!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mumiu
56
読むべき季節をもつ本がある。この本は、夏に夢から醒めた夢を見るような感じで蕩けそうに読むともっとイイ。ひとりだけフルネームが明かされない男の子。姿が見えない女の子。愛されてる自信がない女の子。全てを知ってるらしい君はこの世界で何も望まなかったのかな⁈こういうファンタジーは結構すきかも。2014/11/05
mihya
28
青春SFタイムループもの。そこそこ面白かったが、イライラする場面も多かった。私はこれを楽しむにはちょっと歳をとりすぎたのかもしれない。数日後には内容を忘れてそう。2025/03/18
ren5000
18
読友さんの評判がいいので読んでみた本。確かに面白かった。はじめ読んだときはありがちの青春ものかと思ってたらSFタイムループものでそれが分かってからは一気読みでした。他の方も言っていますがもうちょっと読まれてもいい作品。2014/08/30
keith
15
青春&ミステリー小説のつもりで読んでたら、タイムループのパラレルワールドの物語だった。パラレルワールドものは苦手なんで、途中からはよく分からなくなってしまった。2014/11/03
外道皇帝
15
小学6年生の仲間たち6人で人造湖に肝試しに行った時に湖面で何かが光り、その時の記憶が無くなった。そして、高校2年になり身に憶えのない記憶が浮かんでくるようになる。それは平行世界の記憶らしい。心臓の弱い少女を巡る青春モノかと思っていたらタイムループものだった。タイムループしながら平行世界を生き続けることによって発生する矛盾のしわ寄せの処理が目新しい。これはもっと読まれてもいい小説。2014/07/19