内容説明
江戸庶民のほとんどが住んでいた長屋。大家は親も同然といわれ、入居希望者の人柄の見極めに始まり、夫婦喧嘩の仲裁冠婚葬祭の仕切りまで、店子たちの世話を焼いていた。一方、店子は年に一度の井戸浚いや、煤払いなど、季節の行事の取り決めを守りつつ貧しくも長閑に暮らしていた。そんな江戸っ子の日常を小咄、落語に絡めて活写する一冊。
目次
1 長屋の朝・昼・晩―粋と情の世界に遊ぶ(江戸の市政 表長屋と裏長屋 時のはなし 江戸ッ子の朝 ほか)
2 路地を行き交う行商人たち―ぬくもりにあふれた生活空間(魚売り 野菜売り 惣菜用食品売り 季節の行事用品の行商 ほか)
3 ささやかな楽しみ―“ハレ”の時間の過ごし方(食べ物店 街頭芸人 行楽 信仰と娯楽)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
18
小咄や落語に絡めて江戸の暮らしを、てのを期待して読んだら、川柳も多く例に曳いた江戸のあれこれ。ちょっと期待とは異なりましたが、読みがいのある一冊でした。 庶民の暮らしは、実際のとこ、どんなだったのか。小銭さえあれば、食事には困らないなんてとこは、案外今と通じていたり。 江戸の刻限と長屋の風景は掴めたか。深夜に木戸は閉まっても、街には色んな屋台が。蕎麦に、いなり寿司に…。 著者は国文学者さん、鬼籍の方ですが、豊富な引用を平易に綴られている。あとがき、長屋のなかに江戸を凝視して、てのもいい結びでした。2014/07/07
しんすけ
5
著者が小咄や落語に通じた人だから、長屋噺の様なものを期待していたのだが、少々当てが外れた。江戸時代中期から明治に至る江戸・東京の日常生活を網羅的に集めた構成になっている。 井原西鶴にまで言及しているから江戸・東京と限定するのも難しいが、概して江戸・東京を中心とした叙述と云っても許されるだろう。 江戸庶民にとっては鮪が下賤な食品であったと、書かれている。 今でこそトロ・赤身なんて珍重されているが、ぼくがガキだったころは「トロなんて日本人の食い物じゃねえよ」ってなことを宣う通人なるものがいた。2018/10/24
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