内容説明
「現内閣の至上命題は、すべからく役不足であること」。こんな文章を書いてしまったら赤っ恥かきます――。「私淑」「歴任」の誤用から、「上から目線」「美学」など、何だかムズムズする気持ちの悪い言葉まで、正しい意味を知らずに使うと恥ずかしい日本語を網羅。「犯罪を犯す(重言)」「看護師(過剰な差別語狩り)」「ルサンチマン(“エセインテリ”が使いがちな言葉)」など三百五十語を一刀両断。すべからく日本語は正しく使うべし!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
安南
42
書店で見かける度に、読まなきゃーと思っていました。たぶん、おそらく、絶対!自分は「頭の悪い日本語」使ってるだろうから。「右傾化」「熱狂的なファン」使ってるな(笑)「ルサンチマン」かつて明らかに間違った使い方してる人がいたな。「全然」の使い方、全然大丈夫だった!「ない」を「無い」と書くのは中二病⁉︎「作家さん」使うなぁー。昔、オタクの人達が、著名人をさん付けするのを「え⁉︎知り合い?」などとバカにしてたのに…でも好きな「作家さん」のことはさん付けしたくなるよな〜。2014/06/14
saga
39
タイトル買いである。第一部の誤用編が、本書の趣旨であるところの日本語の頭の悪い使い方で、公の場や文章での誤用を怒っているのに対し、第二部以降は雑学・豆知識に終始する感があった。まあ、それでも本書で初めて本来の意味を知ったものも少なくなかった。差別語狩りは私も嫌いである。「いちいち言葉を法律にのっとって考える必要はないのである。」にも賛成だ。また、本書では主題として取り上げられてはいないが漢字かな混じりの交ぜ書きも嫌いであることを読みながら考えていた。2014/09/26
永野芽郁と田中圭を足して2で割った寺
35
小谷野贔屓の私は、一気読みするのが惜しくてゆっくり読了した。昨今流通している言葉の間違い指摘集。私達の普段の会話や読んでいる文章なんて間違いだらけないい加減なものだと痛感。ひとつひとつの誤用の指摘から知る本当の話や蘊蓄がまた面白い。時々誰かの批判になるのがさらに面白い。芸能にまつわる誤用なんて、初めて知る事も多く、勉強になった。知的に思わせる為に格好付けた結果誤用というのは一番恥ずかしいと思うが、こういうのが多いのは否めない。人みな飾って言う(by山本夏彦)のだ。あとがきが無いのが淋しい。2014/04/29
Koning
34
まー思いきり我が意を得たりな感じのとこが多い事多い事。インテリぶりたい人編と差別語(狩り)、過剰敬語編の2つだけでもまー困る困る(笑)。そして気付けば己もやらかしてたよ!というのがあって、まー赤面もしちゃうと。ページの割に楽しめるというのが素敵ですな。2014/08/07
tomi
26
言葉の誤用、嫌な言葉から言葉の豆知識まで、一見言葉の雑学本のようだが、著者らしく批判あり皮肉ありで面白く読める。自分も使うと恥ずかしい言葉を結構使っているな… 以前NHKの大河で「片手落ち」を「片落ち」と言い換えたのが、言葉狩りの代表例のようにあちこちで書かれていたが、「片落ち」は昔からある言葉で間違いでないという。「看護婦」の項では法令で「看護師」になってから「看護婦」という言葉が差別語のように扱われるようになったと批判した後、落ちで笑ってしまった。2014/08/28