異国合戦 蒙古襲来異聞

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異国合戦 蒙古襲来異聞

  • 著者名:岩井三四二【著】
  • 価格 ¥1,881(本体¥1,710)
  • 講談社(2014/05発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062185011

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内容説明

文永の役(1274年)と弘安の役(1281年)。鎌倉時代、日本が十数万人の異国の軍勢と戦った元寇を、肥後国に実在した御家人・竹崎季長や幕府の重鎮、攻め方の元や高麗の指揮官・兵士の両視点から描く。日中・日韓関係が動揺し、国境や国防に対する社会的関心が非常に高まっている現代に、かつての三国の戦いを小説のなかで見つめ直す作品です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

121
面白い!渋い時代ながら滅法面白いです。今の大河からだと70数年後の話し。もはや執権も8代時宗の盤石の鎌倉の世。フビライ率いる元国の「倭国征討」、日本からすると「蒙古襲来」。弱小勢力ながら勇猛な御家人・竹崎季長を軸に描く元寇群像劇。幕政側のみならず多国籍なフビライのとりまきの思惑や打算、元に虐げられる高麗の官僚の悔しさ、兵士の悲哀…異国同士の合戦にドラマありでした。竹崎季長は名前だけしか知らなかったけど、本作ではなかなか滑稽な狂言回し。不屈のサバイバーが輝いた一戦乱、一時代。これを境に鎌倉は衰亡の道へ…2022/08/20

さつき

63
先日モンゴルに侵攻されたジョージアの物語を読み触発されて。この作品の主人公は竹崎季長ですが彼だけを描いているわけではない。元の重臣 耶律希亮、高麗の総帥 金方慶、高麗の軍戸の男 李など攻め手側の視点が入ることで、どんな情勢のもと日本征討が企画されたのか多角的に見られた気がします。竹崎季長は名前は知っていても具体的にどんな人なのかは全く知らず。ひたすら軍功だけを目指して一所懸命な様は暑苦しくもあり、そうせねば生きられない悲しさも感じます。文永・弘安の役の経緯を臨場感たっぷりに味わえました。2022/12/19

たま

53
土地を持たない九州の御家人竹崎季長と高麗の李某(竹崎と同様、数人の配下をもち普段は農業に従事している)を中心に、軍事機構末端の人間の悲哀を通して元寇を描く。長い抵抗を経て元に下った高麗は元に搾取され兵や軍備の供出を強いられる。侵略の痛みが800年の時を越え現在のウクライナ侵略にそのまま繋がるのが恐ろしい。事前調査せず数を頼りの侵略軍も同類と見える。元と高麗の傀儡政府に振り回される一方の李と異なり、土地を安堵されたい竹崎は勇猛果敢。14万の元軍の退却は台風のおかげもあるが、鎌倉時代の気風も大きいとの思い。2022/09/28

B-Beat

47
◎「三成の不思議…」が面白く、今回本作を読む。前後2回となる元寇という史実について、守る日本(倭国)と攻める高麗そして元(蒙古)のいわゆる最前線の現場から大本営に属する政府高官や指揮官まで交互にバランスよく描かれる。執権北条時宗や元のフビライなどの描かれ方もリアル感十分。元に征服された高麗や南宋の苦悩など当時の東アジアの政治景色が目に浮かぶ。自分の知識不足より巻末に至って本作中の主人公御家人竹崎季長が現存する史料である「蒙古襲来絵詞」を残させた人物に繋がったのは感動モノだった。著者の他の作品も読もう。 2016/02/24

007

27
★★★★☆ サブタイトルは「蒙古襲来異聞」となっている。恥ずかしながら、「異聞」と言われても本来の出来事すら教科書程度の知識しか無かった私。読むのに時間がかかったけれど面白かった。日本、元、高麗それぞれの国や人の思惑や立ち位置がわかりやすかったし、元が日本を攻めてきた理由の解釈がなるほど!だった(この点が「異聞」なのかな??) 歴史好きの読み友さん方のレビューを待つことにしよう。2014/05/20

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