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内容説明
なぜ私は彼を憎むのか? なぜ彼は私を憎むのか? 対立を激化させてきた二つの性格傾向、〈人格系〉と〈発達系〉。それは我々に不信の種を植えつづけた犯人でもあった。本書は心理療法でもある〈想像〉の作業を我々の不信を解きほぐす手がかりとして提示し、二つの〈顔〉が和解に至る普遍的なプロセスを描き出す。太古からヒトの心を捕らえつづけた根源的対立を超えるための深層心理学的実践の書。(講談社選書メチエ)
目次
対立と和解についての見取り図
人格系、発達系とは何か
発達系に対する血の通った理解
ユング心理学が提示する和解のための鍵
無意識との対話法―アクティヴ・イマジネーション
アクティヴ・イマジネーションの実際
大本と出口王仁三郎
『霊界物語』―梗概と全般的解釈
正神の正体
邪神の正体〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兵士O
7
この本を三分の二ほど読み終えた後、僕は寝室の窓を開けて扇風機をつけっぱなしにして、床に就きました。するとその晩、今まで円滑に所属していた職場で、自分の悪事がバレて、同僚のおばさんから強く糾弾される夢を見て、冷汗たらたらで朝方ガバっと起きました。この本で解釈するならば、「人格系」というくくりの僕のメインの特性に対する「無意識」の補償作用と言えるかもしれません。でもこの本で別に述べているようにそれはあくまで一つの解釈に過ぎず、実際は扇風機に当たり過ぎてたまたま起った身体の冷え過ぎによる生理現象かもしれません。2019/07/04
Mizuki Nagasaka
2
随所に俺が教えた通りに書けている。2014/06/24
mizu
1
ユング心理学をベースに、人格系と発達系の視点から対立と統合による個性化を具体的に紹介していた。自分としては、大本の霊界物語を中心とした事例に、ちょっと引いてしまった感じが強い。アイディアは面白いが、一見日本神話の神々を扱っているようで新興宗教の教典を扱うことは、心理学の枠を超えているため、あまり安心して読めなかった。逆に、宗派に関係なく経典にうたわれる集合意識を扱う面白さと、その教団の活動の方向性は、別物としては切り離して感じられない自分の境界がわかって、いろんな副産物があって面白いものだなあ、と思った。2019/10/23
しらい
1
出口王仁三郎の霊界物語をベースに語られる人格系と発達系の対立。一人ひとりがそのどちらをも持っていることを知っておくこと。そして、対立を恐れずこと向けや和すことを忘れてはいけない。2015/01/26
azu3
1
様々な対立の構図の根っこに、人格系と発達系の齟齬を置くというアイデアは面白い。2015/05/28