内容説明
大晦日に発覚した一家皆殺しという残虐な犯罪。その捜査本部で重要な任についた幸本は、捜査方針の対立から、本部付を解任されてしまう。それから5年、膨大な物証に振りまわされ、事件は迷宮入りの様相を呈してきた。所轄署の生活安全課へと異動となった幸本は、捜査本部と異なる視点で、事件を追っていた。そして偶然に手に入れた犯人の指紋。捜査員100人を相手に幸本執念の捜査は実を結ぶのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
20
バリバリの世田谷一家殺害事件モチーフ作品。現場は練馬区に、殺害された家族も3人に変更されてるけど、証拠品とかかなり細かい部分がそのまんま取り入れられているので、めちゃくちゃリアル。で、ホンマもんの事件と決定的に違うのが、犯人に最後辿り着くという!事件発生当時、捜査に携わっていた刑事・幸本がチョンボをやらかして(というか、ホンマは彼の方が正当性がある)捜査から外された後、じわじわと独自に真相に迫っていくというストーリー。世田谷の事件が未解決のままである原因がこの作品に隠されているかも!?2017/01/23
K
6
これは面白かった!最初は、主人公の幸本が無能上司に振り回されるだけのはなしかと思ったが、いい意味で期待を裏切られて驚いた。シリーズ読んでみよ。2017/03/25
you
5
実際にあった事件がモチーフになっている。結末は違うけれど。2016/01/20
5〇5
4
2000年に実際にあった事件をモチーフにしているがゆえのリアルさがある ♦また、最近の不条理な殺傷事件という現実を思わせるリアルさもある ♣ストーリーは、事件の発端から謎解きに至る起承転結のバランスとリズムもよい ♥さらに、いかにもというキャラ造形と主人公の事情も物語を面白くしている ♠読み応えがあり、楽しめる作品だ。2019/10/31
シアン
4
一家三人殺害事件の捜査本部から外されて5年、捜査員の幸本が未解決のままの事件に再度挑む。 個人的にこういうたった一人での捜査っていうのに、リアルを感じないせいか(もっと協力してくれる骨のある刑事がいたりする方が好き)、物足りない感じがしたものの、犯人へと迫る執念と証拠の数々には圧巻。 最後まで楽しめた。2014/06/17