内容説明
野沢光子は姉・伸子の紹介で知り合った宮田治夫と「高村光太郎・智恵子展」へ出かける。そこで光太郎の彫刻「蝉」を熱心に見ていた男が記憶に残った。ところがその男が福島県・安達太良(あだたら)山の麓で殺され、宮田も島根県・江川(ごうのかわ)で水死体で発見される。事件後、脅迫めいた「怪電話」に伸子は悩まされることになり、妹の幼なじみ・浅見光彦に相談を持ちかける。この二つの事件を結ぶものは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさのり
7
愛車ソアラ初登場の浅見光彦シリーズ。モチーフは高村光太郎と根付。ヒロイン野沢光子が光彦の同級生ということもあり、やりとりが新鮮でした。2024/02/07
梨紗
4
内田先生の作品が私の推理小説デビュー作なので、読んでるだろうと思いきや初読み作品でした。そういえば、信濃のコロンボシリーズが大好きでそっちを探して読んでたなぁと思い出し。さておき、今回は高村光太郎の根付けに絡んだ事件でした。今文豪のゲームをしているのでついあの姿が浮かんでドキドキしてしまいますが(錬金術師のやつね)奥方のこととか知らなかったので、すっごく勉強になりました。しかしあんな熱烈な詩を詠んだのになぜ置いて行ってしまうのか、私も純愛ではないと思いましたけど。浅見氏は結婚するんだろうか。2017/10/30
鉄人28号
3
☆ 2回目。初読は昭和61年10月12日。2024/04/27
如雨露屋
2
浅見光彦シリーズ発表順から数えて10作目。「〜の女」シリーズでは一作目。ヒロインは浅見さんの幼なじみで当時のクラスメート達からは光光コンビってからかわれるほどの仲良しだった野沢光子さん。浅見さんが3ナンバーのソアラ車に乗り換えたのはこの作品からだったのですね…高村光太郎の根付けの謎が、旅情ミステリー好きの心を刺激します!2015/01/03
コマンドー者
1
80年代後半の浅見もの長編作。高村光太郎や根付のネタなどを盛り込んで前半は期待させるが、後半はプロットが複雑になった割に、あっけない真相で、やや間延びした印象。まあ、標準的な出来。2024/05/16