内容説明
時を超え、空間を超え、あらゆる品を扱う幻の商人、スーサ。一度交わした契約は決して違えぬのがその掟。十四歳の歩美にとって、スーサの存在は、幼なじみの祖母が語ってくれた、心震わせる物語の登場人物だった。だが、その幼なじみが事故で死んだ時……もう一度友に会いたいと願った歩美の前に、スーサは現れた。歩美の黒髪と引き替えに、友に会わせてくれるという。夢見がちで運動が苦手な歩美だが、スーサとともに冒険の旅に出ることに! 勇気を与えてくれるファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
玉響
28
眼に見える世界の裏側には沢山の世界が広がっている。眼を閉じれば私にも視えてくる。なんとも不思議で幻想的な世界。スーサ。それは時を超え、空間を超え、あらゆる品を商う商人。そんなスーサと少女、歩美の摩訶不思議な旅物語。スーサは私たち読者の心に語りかけるように言葉を紡ぎ出す。心の奥底に語りかけ、何か大切なことにハッと気付いた時にはもうその姿は消えている。でも、もしかするとスーサは私たちの心の中にそっと潜んでいるのかもしれない。何かに迷った時、立ち止まった時、ふと眼を閉じれば姿を現し、語りかけてくれる事だろう。2015/03/24
バニラ風味
19
むかしむかしのこと。鍛冶屋の美しい娘が、森で何者かに殺された。その胸には見事な矢が刺さっていた。犯人を知りたい両親は、訪ねてきたスーサと取引をする。犯人を見つけてもらうために、両親が泣く泣く渡したものは…。現代になり、その話を友人の祖母に聞いた、歩美。友人が急逝し、彼女に会いたいと強く思う彼女の元にスーサが現れる。意外なものを渡す取引をし、スーサと共に異空間を旅をする物語。スーサとはいったい何者なのか。スーサの言動に、不思議な旅にドキドキ、心が揺れます。こういうお話、私とても好き。2018/09/13
パンダCRZ
16
時空を超えてあらゆるものを売り買いする商人と異世界への冒険。あさのあつこさんの作品は初読み。思っていたより冒険色が薄く、異世界で主人公の黒髪が必要な理由も少し弱めな印象を受けた。銀色の片眼を持つスーサや明かり猿、巨大な亀ギドなど設定はいい感じだったので個人的にはもう少し冒険色がほしかった。2023/04/21
燈真
15
やはりあさのあつこは外さない。あらすじを読んで第一話、短編かと思いきや、まさか二話への序章だったとは。でもこれのおかげですんなりと歩美の旅を読めました。亡き友に会うための、危険の伴う旅。利害の一致に基づく故に余計な情のない、しかしだからこそ真っ直ぐな、旅。悩み迷う歩美に語るスーサとギドの言葉が重い。終わり方まで綺麗事のない、スッとした良いお話でした。2014/05/24
むた
6
あさのあつこのファンタジーのお話でとても魅力的なお話でした。( ´ ▽ ` )ノ「信じたものを即答できる。疑いもなくこれだと言い切る。それは力にもなるが、愚かさにも変じるのだ。」このスーサの言葉が読み終わってもうまく呑み込ませんでした。うーん…わかるようなわからないような…愚かさっていうのは具体的にどういうことをいってるんだろう…2014/05/10
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