角川ソフィア文庫<br> 八幡神とはなにか

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角川ソフィア文庫
八幡神とはなにか

  • 著者名:飯沼賢司
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  • 特価 ¥330(本体¥300)
  • KADOKAWA(2014/04発売)
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  • ISBN:9784044094607

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内容説明

辺境の名も知れぬ神であった八幡神は、なぜ突如として国家鎮護の神となったのか。大仏建立、道鏡事件、承平・天慶の乱ほか、その誕生と発展をめぐる史実を紐解き、神仏習合の形成という視角から実像に迫る!

目次

第1章 鎮護国家の神の出現(八幡神の登場 神と仏の遭遇 鎮護国家の神への道)
第2章 仏に帰依した神(菩薩皇帝聖武と八幡神 大菩薩への道)
第3章 神仏習合と御霊(薦枕の成立と託宣の凋落 応神霊=八幡大菩薩の成立と展開)
第4章 八幡宇佐宮と八幡石清水宮の統合(宇佐宮弥勒寺と王城鎮護石清水八幡宮 宗教権門としての八幡宮寺の成立 権門八幡宮寺の展開)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shoji

21
八幡神とは、古代あるいは中世において中央集権政治国家を構築する上で神仏習合が必要となり、祀り上げられた神様いや仏様、いや神様ということか。 ならば政治利用された神様なのか。 と言ってしまえば失礼か。 古代の歴史が好きな方向けですね。 例えば、奈良の大仏が作られた意義、東大寺と手向山八幡宮の関係、など知識を持った方には楽しく読める一冊だと思います。2015/12/16

中年サラリーマン

19
ヤハタ、ヤワタ、ハチマン。なじみのある八幡さんについて語る。元は国境におかれ外敵に睨みをきかせる役割。それは疫病などで死人が増えることで救いを求める人に救済を提供した仏教とは攻めと守りの役割分担。転換点は聖武天皇の仏教への帰依による既存勢力との権力争いだ。聖武天皇は道半ばだったが、八幡神を都に呼び仏法に帰依させようとした。その考え方、なんかクレイジー。時代が下り八幡神が仏に帰依していつのまにか八幡大菩薩になっちゃった。まさに神仏習合。しかも後に御霊的要素も取りこんで。色々と考えさせられる一冊。2014/04/19

うえ

9
宇佐八幡に関する詳細な本。特に興味深いのは、平将門や藤原純友の乱の時代。「政府は追討の兵を組織」するのだがそれと共に神仏による純友討滅を祈らせる。伊勢、石清水、賀茂など十二社に奉幣させるのだが宇佐八幡の奉幣の記録は明確ではないという。『将門記』には八幡大菩薩と道真が協力して将門に新皇の位を授けたという記載があり「その時代の人々が八幡大菩薩をどのような神と見ていたかを知ることができる」と。「八幡大菩薩は…反権力、既存の天皇制の否定の装置として機能している。」護国どころか、まるでフランス革命の人工神のようだ…2019/01/11

Yoshinori Osaka

4
いろいろなことが書いてあって、わかりづらかった。2016/01/31

mk

3
八幡宮が本州全域に分布する中世以降を八幡信仰の発展期とみるならば、本書はそこへ至るテイクオフの過程を大胆に辿り直すもの。国家間の境界に「生み出された」政治的な神であり、敵国討伐の軍神という存在意義を誕生のその瞬間から担わされた神…この視点を意識することで、既存の概説書では謎だった個人的な疑問が弾け飛んだ。聖武天皇は後醍醐天皇にも匹敵する特異な個性、という著者の問題提起は控えめな筆致ながら核心をついた指摘に思われた。八幡神ガイドとしては、おそらく現在最高水準の一冊。著者の長年の地域史研究の賜物と感服する。2016/10/28

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