内容説明
作家・荒木スミシを長年の苦悩から蘇らせたのは、テラという少年の手紙だった。しかし、それは同時に新たな苦悩の始まりでもあった。テラこそ、彼をどん底へと誘ったある連続殺人犯の息子だったのだ。――謝罪とは、赦しとはなにかを問いかける、酒鬼薔薇事件の未来を小説化した挑戦作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有
40
酒鬼薔薇事件の未来を小説で描いた衝撃作、とのこと。最初の手紙のやりとりは好き、でも内容は...。謝罪をすべきはこの子ではない。殺人犯の息子は、虐待され、いじめられ、嫌われることが当然の報いなのか。幸せにならないことが、謝罪なのか。「謝罪とは、今君が悩み、苦しんで、生きる姿そのものだ。」この子が産まれながらに背負わなければならないものの重さに、胸が苦しくなる。家族を持ったのなら、批難されてもがむしゃらに生きるべきじゃないか。みんな生きて。生きて生きて、どこかで誰かを救えばいい。今の私は、そう思う。2014/03/30
じぇりい
12
気になっていた本。身近で起こったあの事件は今でも良く覚えている。犠牲になった子供たちと我が子を重ね、もしかしたらあの子たちはうちの子だったかも知れないと不安を抱いた。そして子どもが酒鬼薔薇と同じ年代になり思春期独特の反抗や衝動を感じた時、万が一でも彼のような資質を持ち合わせていたらと本気で心配した。「なるわけないじゃん」と子どもは笑っていたが。作者の言うように生きている限り犯罪者の未来も続いていくわけだが罪を償ったからといって、同じように幸せになれるほど世の中は甘く無い。2014/07/06
ちゃこ
6
傍点や!、?が多様された文章に辟易としてしまった。作者のデビュー作は実際に某神戸少年事件のシナリオ、と週刊誌に報道された過去があるそうだが、もういい加減にあの事件を題材にするのは止めるべきだろう。この完成度なら尚更そう思ってしまう。2016/06/03
しば
4
透明なテラに会いたくて、再読。手首に何枚も絆創膏を貼ったテラが近くで微笑んでいるような気がしながら、。透明な存在、殺人犯の息子、書けない小説家。テラと先生の交流も、テラとヒガシカワさんの交流も、僕にとっては神聖なもので、。2014/11/10
ほくえつ
4
上手く伝えられないけど、人間という存在についての考え方が如何に甘かったかを認識した。透明な存在のテラや先生の苦悩や悲しみを考えすぎて現実世界にまだ戻れていない。こんなにも吸い込まれる内容だとは思わなかった。久しぶりに心がえぐられた。読んでよかったけど、あまりに暗くなってしまい明日から連休なのにこの気持ちはどうすれば、、、とりあえず次はめちゃくちゃ楽しい本を読みたい。2014/05/02
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