内容説明
中央銀行の知られざる舞台裏へようこそ
山形浩生氏推薦! 「セントラルバンカーたちが世界経済崩壊を阻止すべく見せた、 大規模緩和への苦闘(ある一国を除く…)の見事な記録。必読!」
世界経済の運命は彼らの手に――。マネーの“蛇口”を意のままに操り、たった一言で株価を動かす中央銀行の総裁たち。 驚くほどの巨大な権力を持つ彼らは、いわば現代社会の錬金術師だ。
アメリカのベン・バーナンキ、EUのジャン・クロード・トリシェ、イギリスのマービン・キングは、 経歴も思想もリーダーシップのスタイルもまったく異なる個性豊かな三人。 前代未聞の金融危機の嵐が吹き荒れるなか、国内外からの苛烈な批判をかわして、 大胆な決断を下し、ギリギリのところでピンチをしのいだ。その苦闘が、良くも悪くも今日の世界経済を形作ったのだ。 米国を代表する経済記者が綴る、渾身のドキュメント。/掲出の書影は底本のものです
目次
第1部 錬金術師の誕生―一六五六年から二〇〇六年まで(ヨハン・パルムストルヒと中央銀行の誕生 ロンバード街、統べよブリタニア、バジョットの格言 ほか)
第2部 パニック―二〇〇七年から二〇〇八年まで(三人の委員会 クリスマスまでには終わるだろう ほか)
第3部 ショックの余波―二〇〇九年から二〇一〇年まで(FRBの闘い ギリシャ悲劇 ほか)
第4部 第二の波―二〇一一年から二〇一二年まで(チョッパー、トロイカ、ドーヴィルの密約 ヨーロッパの大統領 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
向う岸
6
原題は『The Alchemists』。かつての錬金術師は卑金属から金を作り出そうとしていたが、現代では紙切れに「信用」を与えて価値ある通貨に変える。その信用が失われそうになったいわゆるリーマン・ショック、ギリシャを始めとする各国の破綻に立ち向かった中央銀行の奮闘を描いたドキュメント。失業率の上昇に経済の低成長、それに伴い極右勢力の台頭を許してしまうなどの危機も呼び起こしてしまったが、中央銀行の対策はおおむね評価できるものらしい。幸福を追求した結果、地獄に落とされるのが興味深い。笑い事じゃないけど。2014/05/29
DEE
5
経済にも疎く、用語もわかったやうなわからないような自分だけど、ときにアクロバティックで綱渡りのような政策や手法が、見えないところで行われていたんだということだけは分かった。 もしかしたらこの瞬間も… 未来は誰にも予想できず、その手を打てば、あるいは打たなければどうなるか、比較することはできないけど、選択の連続が今の世界経済を作りだしたことだけは事実。 良くも悪くも。2016/03/12
人生ゴルディアス
3
もう「危機後」の本が出るようになったのかと思った一冊。本書はあまり日本では見かけない、欧州の中央銀行家達に焦点が当てられている。話の軸が2010年からの欧州危機だからだ。ただ、これは単なる経済の話ではなく、本当はEUという一つの壮大で無謀だと思われた試みが存続するかどうかの話。そして、持ちこたえた。すごいと思う。それにしても、中央銀行家が国家の行く末を左右するほどになった現状を見ると、本書の邦訳はなるほどと思う。原題もきっと、どこから出てきたのかわからない凄まじい力を持った人達、という意味なのかも。2014/04/02
ぐりペンギン
2
リーマンショック時、FRBベン・バーナンキ、ECBジャン・クロード・トリシェ、イングランド銀行マービン・キング3人が当時どんな対応をしたのかについて書かれているドキュメンタリー。同じ危機に対して三者三様、それぞれ政治的事情や信念などもあって足並みを揃えた対応ができず、危機後の国や地域で回復に差が出たことがよく分かる。ごく一部日本や中国の中央銀行の話も出てくるが大半はFRB、ECB、イングランド銀行の話。やや冗長で間延びした文章で頁数も多いが殆ど知ることのできない中央銀行の仕事について知ることができる良書。2019/10/22
pudonsha
2
世界各国でも日本と同じように、緩和政策に対する批判の声が強かったのがよくわかる。2014/04/08
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