内容説明
「優位戦」とは、こちらが主導権を握って“戦場”を選び、時を決め、目的も手段も決められる戦いのことである。そうした「優位戦」の思考を持てば、「劣位戦」に追い込まれることなく自分の利益を確保できる。欧米の政治家や外交官、経済人は、そうした思考に長けている。国際貿易や産業・環境技術などの新ルールを中核メンバーだけで、自分たちが有利になるように決め、あとで日本などに参加を呼びかける。「入らないと孤立するぞ」と脅かすと、日本は慌てて飛んできて、必死に追いつこうとする。従来の日本がそうであり、それは典型的な「劣位戦」だった。だが、風向きは変わりつつある。安倍晋三首相を筆頭に、優位戦思考で交渉を展開する日本人が出現している。そうした人士はビジネスの世界では珍しくないし、実は戦前の日本にもいた。それがわからないのは、劣位思考に陥ったままの政治家、学者、マスコミだけである。
目次
第1章 日本を取り戻すための戦いが始まった
第2章 日本のマスコミがわからない「地球儀外交」の威力
第3章 明治開国以後の日本から得る教訓と発想
第4章 次に来るかもしれない戦いに勝つための「歴史のイフ」
第5章 日本のスポーツを発展させる「優位戦思考」人士
第6章 歴史認識に関する劣位発想から脱却せよ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
18
格差問題とは対極にあるのか。 格差で優位に立っている人に とっては当たり前のことは、 劣位に甘んじている人からすれば 納得しがたいのだと思う。 型破りができない日本人を 劣位戦ともいえるのかもしれない(15頁)。 型は必要ではあるが、 先にみた技術革新や起業、 創造においては、むしろそれから 破っていく非常識さも必要なのである。 安倍首相の地球儀外交は、 祖父岸信介の外遊と同じ発想(61頁)。 そんなに政府専用機で何を 約束させているのか。 原発輸出は金目でしょ。 2014/06/21
hdo obata
5
三つの悪意が日本を取り巻いている。1)白人による有色人種に対する蔑視2)(彼らの華夷秩序からすると底辺に位置する日本に対する)シナ、朝鮮の悪意、嫉妬 3)元祖マルクス主義(人権尊重、環境保護、弱者救済・・・)なるほどなあ。日下先生に言われ、正に目からウロコ。もう一度ゆっくり読み直したい。2015/11/28
T坊主
4
アベノミックスには懐疑的ですが、まあどの政党がやっても抜本的な発想の展開をしない限り、現状の経済成長は難しいでしょう。しかし、安倍首相の外交には大変注目している、やるなあという事です。中韓に対する態度も立派です。今まで譲り過ぎてきました。まもなく衆院選ですが、どうするか迷っていましたが、この本を読んでどこに入れるか決まりました。日下氏には長生きしていただいて、発想豊かな本をどしどし出していただきたいです。2014/11/27
しんのすけ
1
安倍首相は日本を取り戻すために優位戦思考で闘っている。すべての戦いは自らが優位になるように、ルールを作ったりシナリオを描いたり戦い方を造っている。2014/10/26
sakase
1
靖国と大戦についての憶測は妄想に近い。☆2つ。2014/05/01