山と溪谷社<br> ふたりのアキラ

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山と溪谷社
ふたりのアキラ

  • 著者名:平塚晶人
  • 価格 ¥774(本体¥704)
  • 山と溪谷社(2014/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635047753

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内容説明

伝説のアルピニスト、松濤明と奥山章を慕い、愛した女性の物語。

冬の北鎌尾根で凄絶な最期を遂げ、井上靖の小説『氷壁』の主人公、魚津恭太のモデルとされた松濤明。
第二次RCCを創設し、戦後日本のアルピニズムを牽引した奥山章。
芳田美枝子は、風雪の北鎌尾根に消えた松涛明を上高地で待ち続けた女性として
『氷壁』のヒロイン、かおるのモデルとなり、のちに奥山章と結婚して、
戦後日本のアルピニズムの発展を見つめ続けた。

身近な存在であったからこそ知り得た松涛明、奥山章のふたりのアキラの
知られざる登山史の断片を、ノンフィクション・ライター平塚晶人が
往復書簡で描いた話題作の文庫化。

ヤマケイ文庫の『新編 風雪のビヴァーク』(松濤明)、『ザイルを結ぶとき』(奥山章)、
そして井上靖の小説『氷壁』を深く読み解くための副読本としても楽しめる興味深い内容です。

目次

プロローグ
第一章 『氷壁』とアルピニズム   松濤明と奥山章の思い出
第二章 北鎌尾根へ   北岳バットレスからの転進
第三章 待ち人来たらず   一人ぼっちの穂高越え
第四章 風雪のビヴァーク   北鎌遭難の検証と考察
第五章 蒼い星   松濤明の死、そして上京
第六章 エゴイスト 登歩渓流会と松濤明
第七章 影を追って 登歩渓流会と蒲鉾屋「神茂」
第八章 ふたたび山へ   松濤明の「戦後」
第九章 死ぬことで生きる   風化しない松濤明の面影
第十章 孤独と焦燥   第二次RCC創設へ
第十一章 血が騒ぐ人   奥山章の宿す翳
第十二章 失意と燻ぶる意思   滝沢スラブの大事故
第十三章 翳の正体   山岳映画作りと奥山章の涙
第十四章 クライマーの余生   見果てぬエベレスト
第十五章 ふたつ目の死   三ツ峠へ行けなかった奥山章
第十六章 安らぎ   アキラの歩まなかった道
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

20
すごくいい本でした。往復書簡という形式がこんなに面白いものになるとは。もっと沢山の人に読んで頂きたい本です2020/01/25

hitotak

5
松濤明、松濤と生前関わりがあった山田美枝子という女性、その夫であった奥山章という3人の登山家について、書簡形式でかかれたノンフィクション。松濤と美枝子の関係、松濤の遺書が井上靖『氷壁』のモデルになったらしいということを知って読み始めたが、その部分は冒頭でさらっと触れているだけで、あとは三人の人生を賭けた凄まじい登山・登攀歴、生き様が書かれている。大学山岳部の華やかさ、戦後隆盛を極めた社会人山岳会、登攀一番乗りを目指して競い合う登山家たちなど、全く知らなかった登山界の戦後史も詳しく書かれて興味深かった。2021/05/14

yamakujira

4
松濤明の恋人であり、奥山章の妻であった美枝子、奥山と死別後は再婚して、おだやかな余生を送ったそうだ。再婚相手を看取ってから老人ホームで暮らす美枝子との往復書簡で構成する本書は、まず松濤とは相思相愛ではなかったことに驚き、単身で上高地に迎えに行って松濤の遭難を知らないまま中尾峠を越えて帰ったってことにさらに驚く。さらに、国体のスキー選手であり、後に北鎌も踏破するなど、美枝子の経歴にもまた驚く。登山史に名を刻んだふたりを回顧しながらひとりの女性の人生をたどり、彼女の強さに胸を打たれる。 (★★★☆☆)2021/06/01

いこ

0
山に生きたふたりのアキラについて、平塚晶人と山田美枝子が手紙のやりとりをする構成をとっている。そして、彼らについて語ることを通して、彼女の生き様も浮かびあがってきます。 「私はここで毎日この調理を繰り返す中で、一分という長さがどれだけ多くのことをできる時間か、ということを知ったのでした。」2021/12/30

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