内容説明
豆を手にすれば恋愛成就の噂がある、東大寺二月堂での節分の豆まき。奈良の女子大に通う「私」は、“20年間彼氏なし”生活からの脱却を願って、その豆まきに参加した。大混乱のなか、豆や鈴を手にするが、鈴を落としてしまう。拾ったのは、狐のお面を被った着流し姿の奇妙な青年。それが「狐さん」との生涯忘れえない、出逢いだった――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirune
60
ええと、なんか主人公の女の子に全然感情移入できない😅それまで全然トキメキの気配もなかったのに、現実離れした出来事の後唐突に恋愛モードに突入しちゃって?いや やめとけ!妹の彼氏にでも友達を紹介してもらえ⁉︎とか思っちゃいました。だってどう見ても地雷でしょ?その狐?そしてなんだよそれ?全く自分一人で空回って何してるの?みたいなエピローグで終わる…。ちょい私には合わなかったようです〜。2020/05/25
な〜や
58
軽いタッチのちょいファンタジー系恋愛ものという印象で読み進めていったら、最後は予想していた結末から外れて読後感スッキリ!とはならなかった。賛否両論あるラストだけど、人の心ってのは本来複雑怪奇な物、主人公の行動がああなってしまうのも不合理とは言えないかな、と思う。文章は読み易く、また奈良の街並みの記述があちこちに散りばめられていた。関西人である私は何度も奈良を観光してるので、景色が瞼に浮かび、久しぶりに奈良を訪れたいと感じた。2014/04/21
真理そら
50
今の奈良の街の様子が伝わる話。奈良にある女子大の学生が主人公なので時代は違うけれど懐かしい感覚がよみがえる面もあり楽しく読めた。2020/02/02
エンリケ
48
折目正しくちょっと天然の入った女性が主人公。そして古都が舞台。森見作品を連想したのは僕だけだろうか。恋に憧れる女子大生と狐の面を被った青年。最初はキテレツなファンタジーが展開されるのかと思ったが、物語は意外に純愛ストーリー。狐と彼の側にいつもいる美女揚羽との関係やお面の意味など興味をそそる要素に中盤からは読む手が加速した。奈良の行事が魅力的に描かれているが、関西人の僕も知らない事が多い。改めて彼の地を訪れたくなった。文調は軽快で程好くユーモラス。結末には意表をつかれたが総じて明るい気分で読む事が出来た。2015/06/04
はな
33
図書館本。メフィスト賞と言うことでしたが本当に??と言いたくなるような感じ。恋愛小説と言うイメージで読み終わりました。キツネさんとの出会いの部分や終盤にかけては展開も面白いと感じたのですが、どうも途中が中だるみしてしまって何となく終わったなぁという印象。2015/07/02