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内容説明
公害、薬害、巨大事故。我々のあずかり知らぬところで進行し甚大な被害をもたらす悲劇は、なぜ繰り返されるのか。それを防ぐため、専門的能力を持たない市民に何ができるのか。科学者として生涯、原発の危険性を訴えつづけた著者は、市民が国家・企業・アカデミズムからも独立して専門的批判の能力を組織・維持・育成する方策を構想し、その実践報告とともに本書を遺した。三・一一後の日本に向けた最もポジティブな提言。(講談社学術文庫)
目次
第1部 市民の科学(市民と科学―序にかえて 専門的批判の組織化について 原子力資料情報室 プルトニウムと市民のはざまで)
第2部 市民にとってのプルトニウム政策(プルトニウム利用政策を問い直す プルトニウム軽水炉利用の中止を提言する―プルサーマルに関する評価報告 解体核兵器からのプルトニウムをどう処分するか?)
おわりに 「市民の科学」のこれから―高木学校によせて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無重力蜜柑
7
反原発、プルトニウム利用に生涯を賭けた市民科学運動家・高木仁三郎の論集。ドイツやアメリカを例に挙げ「専門的批判の組織化」の必要性を説く第一部、講演や報告書の抜粋から成る第二部、晩年に後継者育成のため設立した高木学校に関する随想の第三部。第二部に関しては金森修が解説しているように過去の話なので原発の今をよく知らない自分には評価が難しい。一度体系的な勉強がしたい。技術システム内在的な問題は漠然と掴める。それを市民科学者として批判していこうというスタンスは理解できるが、今から見ると市民を信頼しすぎに思える。2022/07/14