内容説明
秘数3と秘数4。3は、結婚とエロティシズムの数であり、2と1がひとつになって運動を生み出し、世界を作る。一方で、4は3が作り出した世界に、正義と真理、均整と均衡を与える。秘数3と秘数4の対立と闘争が、西欧キリスト教文明のダイナミズムを生み出してきた。このふたつの秘数を都市の四次元空間で統一し、よろこびを生み出す幸福のバルセロナ紀行です。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
36
『マリ・クレール』で6回にわたり連載していたという、今聞くと恥ずかしい成立過程のいかにもニューアカっぽい旅行記。後年の『アースダイバー』の源流と著者がいうのであれば、そこに学問的な間違いがあると言ってはならないのかも知れない。本書の方が怪しさ満載で、とはいえ、この本が許されていた80~90年代は決して悪い時代だとは映らない。確かに当時の本の中には、玉石混交だったことは否定できない。しかし本書でまず惹かれるのは、バルセロナの風土に思いっきり影響を受けた、長く饒舌な文章の伸びやかさだ。もちろん秘数3に誰もが思2022/11/10
N島
10
カタルーニャという器に数秘術の豆乳を注ぎ、3の倍数の温度で熱した後に、優しく上澄みを掬い取って作った『生湯葉』のような作品。ポイントは温度。豆乳の元となる大豆はヨーロッパの土壌からじっくりと滋養を受けて育まれ、芳醇な土の香を漂わせた極上品。『生湯葉』たる作品に対して『おから』とでも形容すべき雑記集も、ナカナカの読みごたえ。…個人的には『生湯葉』より『おから』の方が好みかな?2014/04/13
onisjim
4
著者じしんは旅行記と称しているが、フィクショナルな、というよりも幻のできごとを綴ったかのような作品だ。タブッキが描く物語を読むときの印象に近い。カタルーニャの路地で、酒場で密かにかわされた会話の心地よさを楽しむ、それだけでよいと思う。2014/03/17
ご〜ちゃん
2
本文だけでなく、脚注も難解で読みごたえがある。よく分からないけど、バルセロナへ行きたくなる本。2014/08/11
yurari
1
何が何だかよくわからなかった。2016/08/29