内容説明
第15回(2011年)司馬遼太郎賞受賞作。
日本の命運を若くして背負わざるをえなかった君主はいかに歩んだのか。昭和天皇の苦悩と試行錯誤、そして円熟の日々――。我々は後年の円熟味を増した姿で昭和天皇についてイメージし語ってしまいがちだが、昭和天皇が即位したのは25歳。世間では天皇の神聖さが説かれていても、右翼や保守派の重臣たちは天皇をかなり手厳しく見ていた。本書は側近や実力者たちが残した膨大な日記など、一級の史料を丁寧に掘り起こし、生真面目で気負いのある若かりし頃から晩年にいたるまでの多面的な昭和天皇の姿を描く。「昭和」という時代を理解するために必読の評伝!
目次
昭和天皇は「現代の君主のなかでもっとも率直ならざる」人間か―はじめに
第1部 皇孫・皇太子時代(期待の男子―明治大帝の初孫 楽しい少年時代―欧州風教育と乃木学習院長 明治天皇への憧れと大正天皇への敬愛―東宮御学問所 新しい世界への目覚め―大正デモクラシー・渡欧・結婚)
第2部 大日本帝国の立憲君主としての統治(新帝としての気負い―政党政治の始まり 誇りと正義感の代償―張作霖爆殺事件 重圧と自信喪失―ロンドン条約・満州事変 国際的孤立と軍統制への不安―国際連盟脱退と二・二六事件 見通しのない戦争―盧溝橋事件・三国軍事同盟 日米開戦への危機―日米交渉・南部仏印進駐 神に祈るしかない―太平洋・大陸での戦い 一撃講和から降伏の決断―本土決戦か敗戦か)
第3部 象徴天皇としての戦後―(天皇制を守る―民主化と象徴天皇制の成立 退位問題に揺れる―サンフランシスコ講和 象徴天皇と「戦争責任」への心の傷―日米安保体制と「豊かな」日本への道)
昭和天皇と昭和という時代―おわりに
感想・レビュー
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り こ む ん
中年サラリーマン
浅香山三郎
pudonsha
junkoda