内容説明
音楽の才能は普通だが世渡り上手なワタルと、才能に恵まれるも、孤独に苦しみ続ける礼二。2人は中学最後の文化祭でバンドを組み、大成功を収めるが、礼二の突然の脱退宣言によりバンドは空中分解する。その後2人はお互いを意識しつつも相容れないまま別々の道へ。紆余曲折を経て、礼二がようやく巡り合った理想のバンドがある事件に巻き込まれてしまい……。武士道シリーズで女子を描いた著者が、今度はロックする2人の男を時代の変遷とともに描いた音楽青春小説です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
134
読メ読了登録600冊目。誉田さんの本は12冊目。誉田さんの実体験が色濃く出ている作品だと思う。中学生でバンドを組んだワタルとレイジが、考えの違いで別々の道を歩む。その二人を誉田さん得意の交互にそれぞれの目線で描いていく。誉田さんは魅力的な女性を描くのがうまいと思うが、今回は脇役だがワタルとレイジを見続けるマドンナ役の梨央がいい味をだしていた。誉田さんの同じくバンドを扱った「柏木夏美シリーズ」のような疾走感はなかったが、バンド経験がなくても、ワタルとレイジの約20年間に共感を感じることが多かった。2014/04/06
イアン
128
★★★★★★★☆☆☆ロックを志した男たちの葛藤を描いた誉田哲也の長編。モテたい一心でバンドを結成した航と、天性の音楽的才能を持つ礼二。中学の文化祭で同じステージに立った2人だったが、方向性の違いで決裂してしまう。互いの近況や一人の女性を巡って意識しつつも、決して歩み寄ろうとしない航と礼二。その心理描写が見事だ。専門用語満載なのに解説はほぼ皆無。まるで「付いてこれる奴だけ付いてこい」と言わんばかりの文体だが、そのリズム感がむしろ心地よい。本気でバンドマンを目指した著者だからこそ描ける、挫折と苦悩の青春小説。2025/04/19
H!deking
109
マジかー、これツボる人はなかなか少ないだろうけど、めちゃくちゃ面白かった。ピンポイントついてくる。だいたいこういうのってサクセスストーリーが多いと思うんだけど、売れないバンドのリアルがここにある。いつかまたバンドやりたいなー。多くは語りません。昔バンドやった事ある人、読んでください。強制です!(笑)2020/10/28
mocha
105
中学時代のバンドで知り合ったレイジとワタル。お互いに嫉妬し、反発しながら距離をとって過ごす高校・大学時代。譲れない音楽への思いや恋、うぬぼれと焦燥、青春時代の恥ずかしくも羨ましい空気感に満ちている。'80年代からの音楽シーンの変遷も懐かしく、自分自身の思い出も 曲と一緒に蘇ってきた。2016/06/13
W-G
71
段ボールの中に未読のまま入っていたので読んでみました。かなり青臭いというか、オッサンになってから読むと、なんかこっちまで恥ずかしくなってくる小説。昔に音楽かじった事ある人ならなおさら。『風の彼方に』ってどんな曲なんだろう?礼二の音楽のベースは80年代らしいけど・・・。2016/04/24
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