内容説明
宇宙、生命、物質、人間の心や言葉などに関する「なぞ」は、古来、人びとを惹きつけてやまない。本書は日本人初のノーベル賞物理学者にして名エッセイストとしても知られる著者が、人類の壮大なテーマを幅広い視野からやさしく語る。平明な文章のなかに、科学への真摯な情熱が伝わる名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tolucky1962
12
著者67歳の1974年少年向けに出版され,2014年文庫化。①宇宙・素粒子②生命③ことば④数と図形⑤知覚・感情の5章としていることが深い知性を感じさせる。 ①は著者専門分野。天文・物理学の歴史を遡りながら易しく説明。②は進化・遺伝からDNAまでを紹介。③は孫を観察する中で言語取得までの様子が示す。④でゼロを考えたのはインド人であることと,東洋の無の概念をつなげて考察。⑤知覚・記憶・識別・感情などを言葉と合わせ様々に考察。 今ではどの学問も大きく発展したが,なぞがここにあるというは変わっていない気がする。 2018/09/10
オザマチ
10
自分の専門外の事であっても、真剣に考え自分の言葉で話をする湯川先生。2016/09/11
to boy
10
湯川秀樹さんが中高校生向けに書かれた七つの謎についての解説書。中身は奥が深い内容で興味ある人には丁度良い入門書になりそうです。数学と物理学の関係を記した第四章は特に面白く感じました。2014/10/11
ぜんこう
10
40年前に書かれた本の文庫化(なぜ今?)。40年前に読んでいれば少し進路なども変わったかなぁ・・・でも内容が頭に入らず読了できなかったかも(^_^;) 学問が進歩してるので、ちょっと古いですけど、そんなに違和感なく読めました。湯川秀樹博士の本は初読でした。2014/05/17
くり坊
9
学生の頃、別の版で読んだ懐かしい一冊、再読。でも、朧な記憶ばかりで、細かいところ全然覚えていなかった。数の話のところがやっぱり面白い。自然数、実数、無理数、虚数、複素数をどう捉えるかを語っていく話の進め方がすごくいい。2014/11/17