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内容説明
福島原発事故から3年。
この事故を「終わったこと」にしようとする“空気”を危惧します。
国を挙げて取り組むべきはオリンピックよりも被害者救済と放射能汚染対策。
40年以上一貫して原子力反対を訴え続ける著者が今、最も伝えたいこと。
事故発生から3年が経過した今、福島第一原発では何が起きているのか。放射能汚染はどれくらい広がっているのか。もはや東京の一部も放射線管理区域に匹敵するほど汚染を受けていることなど、その深刻な実態を客観的に立証する。40年以上反原発を貫く著者が事故の風化に警鐘を鳴らすとともに、なおも原発を推し進める巨大権力に対し、人生を賭して闘う決意を綴った覚悟の書。
目次
第1章 福島第一原発では今、何が起きているのか―止められない放射能汚染水
第2章 もはや東京の一部も放射線管理区域―拡大する放射能汚染
第3章 果てしなき廃炉への道
第4章 放射能から身を守るためのQ&A
第5章 これでも原発を続けるのですか
第6章 これ以上過ちを繰り返さないために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miki
22
私はリケジョじゃないから原子力の詳しい説明は難しかった。だけど、第一章から涙が止まらなかった。現場で働く人たちは、『永遠のゼロ』の宮部久蔵とまるで同じではないか。百田さんとお友達の安倍さん、これをどう読みますか。今の日本を「美しい国」と、心から呼べるのでしょうか。世界遺産に立候補するのは富士山ではなくて、フクシマであるべきではなかったのですか。第六章、原爆投下を知らされて「もし生まれ変わることができるのなら、自分はもう科学者にはならない」といったアインシュタインの言葉に、また涙。2014/03/12
警蓮社峻譽身阿
6
長年の原発反対論者の学者の2014年の著作。当然福島のこと。報道で話題に挙がる機会は目に見えて減ったが、実は回復にはあと100万年かかるらしい。 終わりはこないのだ。ベクレルとかミリシーベルトとか言われると知識がなくて物事を評価するのに靄がかかる。白痴を恥じる。 電力不足も電気代高止まりも嘘。だって現状停電してないし、自由化で下がるし。仮にそうでも、経済メリットと人類の未来は天秤にかけられないと感じた。本書を読み明確に原発反対を支持するとする。2019/10/02
みむら しんじ
3
読了。いまだ毎日何百トンもと高放射能汚染水がつくられ、地下水となり、タンクにも溜めきれない。そしてやがて「海に流すしかない」時を迎えるようだ。被曝するために原子炉内の調査も修理も思うようにできず、分からないから報道もなされない。茨城、栃木、北関東はもとより、東京の新宿区にも異常値が検出される日本に未だ手立てはないようだ。しかし東電と政府は原子力発電所の推進を決してあきらめようとしない。なぜ日本はアジアの国に原子力発電所建設の営業をするのか。なぜ危険を承知でアジアの国々は原子力発電所建設を望むのか。つくった2014/03/24
ひろみ
3
改めて原発の怖さを実感した。福島のような事故が起きないように早く原発に頼らない日本にしたい!2014/03/22
疾風
1
「化石燃料はいずれなくなってしまうので、これからは原子力の時代だ」 その言葉を信じて夢を抱いた筆者は、原子力を学べる大学へ進学した。しかしその夢は簡単に打ち砕かれてしまう。なぜなら、大都市に建つ原発がほとんどないという事実を知ったからである。今でこそ脱原発論は頻繁に持ち上がるが、筆者はその時点で、原子力発電が非常に危険を孕む発電法であることを悟っていた。2020/06/12