内容説明
現代の魔窟、中野ブロードウェイ4階にある精神科・琥珀クリニックは本日も素敵な人たちで大賑わい。次々と起こる不可思議な事件に自称・天才精神科医の白旗と助手の灰田が挑むスーパー奇譚集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
64
【精神科の基本は、適度に介入しつつも時間の流れに運命を託すことにある】ありゃ、先生。『緘黙』だけではなく、こんな本も出されていましたか……。中野ブロードウェイの4Fで開業する白旗慎之介は、実家が大金持ちで、人に頭を下げるのが嫌で精神科医になった変人&ナルシスト。「贅沢味噌」が縁で知り合った記憶喪失の男・灰田砂彦を助手にする。彼には、脈に触れるだけで相手の欲望を感知できるという能力があり――。サブカル要素を加味したホームズ&乱歩オマージュの猟奇的小説になるのだろうか。マーサ黒住はマツコデラックスがモデル?⇒2024/02/20
sora
28
世間話みたいな感覚で話がすすみます。だって、どの事件も解決しないで解決しようともしないで過ぎていきます。 それにしても、脈をとっただけで考えていることがわかるなんで、便利なようで不幸かなぁ2014/03/31
Norico
27
中野ブロードウェイが舞台で、そこで精神科を開業している男と、記憶を無くしたかわりに人の脈をとるとその人の隠した欲望が分かってしまう男の話。アヤシゲな表紙から推測できるとおり、サブカル感とかオカルトとかなんとも不思議な。太ったオカマの占い師は完全方がモデルですかね?あの続編あるのかな?なんで記憶なくしちゃったのかとか、モリアーティ教授的な月村蟹彦の正体とか、気になります。2015/02/24
onasu
27
中野ブロードウェイ3階の明屋(ハルヤ)書店では、発売以来、特設台に平積み。すわベストセラーかと思いきや、作品中に…。 その4階、精神科クリニックを営む白幡Dr.と、記憶喪失のとこ偶然そこの助手となった灰田(語り手)。いわゆる医者ものに、近所の、らしい商店主たち。そして、このふたりを弄ぶ謎の人物。ステレオタイプながら、中野ブロードウェイのおたく的雰囲気とか、設定はおもしろい。 ただ、偏執狂と殺人の多さには辟易、続編があるのか、終わりも締まらない。精神科医である著者の描写に、信憑性はあるのだろうけど…。2014/06/08
Mina
24
記憶喪失になり、脈を診るだけで相手の欲望を読みとることができる灰田は、ナルシスト精神科医白旗のクリニックで働くことに。訪れる患者は、人肉を食べたい、覗き見の癖がある、そんな人ばかり。患者は必ず事件にまきこまれる。そして謎の月村総研・・・。といっても、事件が解決する気配はなく、残酷なことも『悪戯』として進んでいくので、好き嫌いははっきり分かれそう。真剣に読む話ではないかな。ただ、作者の春日氏は精神科医。何かしら意味があるのかもしれないけれど・・・。2014/06/26