内容説明
卒業を間近に控えた女子大生仲良しグループ。珠美は秘書、文代は教師、トモ子は編集者など、7人それぞれの進路へ巣立とうとしている。恋愛に憧れつつも、まだ見合い結婚が主流の終戦直後、彼女達が常に盛り上がるのは、唯一婚約者のいる祐子の話だ。卒業後、婚約者の誕生日に全員が祐子の家に招待されるが――。若い女性の心の葛藤を、瑞々しく描く。有吉文学の原点となった、初の長編小説。
感想・レビュー
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スエ
126
「女が仕事する為には自分一人の部屋が必要」にナイス100ぅ!仕事終わって掃除に洗濯、猫の世話。やっと座れて本読める〜❢からの「ただいま〜🎶」なんの拷問ッ?タイトルと相まって鉄の処女か?!:(;゙゚'ω゚'):痛そ〜。終いにゃ乙女がセーラー服で駆けてくるわいっ! 三田さん、旦那さん大丈夫ですか?笑っていいとものお菓子作りが忘れられません… 本編。女7人集まれば、そりゃぁかしましい。陽気な照枝、歌江に花江。旧華族のお嬢様に下町チャキチャキ娘に田舎モンに。青春時代が〜夢な〜んて🎶ほのぼの思うあなたは同世代。2022/12/11
小梅
93
舞台は戦後まもない頃。この時代に女子が大学に通ってるって時点で、あるレベル以上の経済的に裕福な家庭の子女である。この頃、英語ができる女性が仕事に就けばお給料も良かっただろう。恥を恐れ見栄から悩む者、苦しむ者、そして嘘をつく者…で、ここで終わるの?って終わりですが、読後に余韻が残って好きです。 ストーリーとは離れるけど、俗にいう魚の目(ウオノメ)を医学的名称では鶏眼(ケイガン)っていうのは知らなかったです。2017/09/03
こばまり
49
鬱屈する三十路女が7人。面白くないわけがない。確かに女性作家ならではの女性像だが、物語の運び方、吸引力にはむしろ男性性を感じた。ぐいぐいと腕を引っ張られるような読後感が楽しい。多少の時代考証を加えれば現代を舞台にドラマ化できそうだ。エンディングも粋でドラマ向き。2016/05/17
momi
41
今から60年以上前に著者が書き上げた初期の名作!女子大生仲良しグループの七人!舞台は昭和22年頃。女子大時代から三十過ぎまでの友情と、恋愛・結婚への憧れや心の葛藤をえがいています!まぁ〜疲れることといったら…。そういう時代なのかしら…。オールドミスがどうのこうの…結婚!結婚!と…どーでもいいじゃない!しなくてもいいじゃない!その時代に生まれなくて良かったです!って、感じるぐらいの女性独特の世界観と裏の部分、嫉妬心や優越感が表現されています。それにしても祐子…名女優ね…。私は誰一人として共感いたしません。2017/02/10
Shoji
39
読後の感想は「やれやれ」です。学歴があり、生活には困っていなくて、見た目華やか。でも、嫉妬深くて虚栄心が強くて自慢話が大好き。ついでに噂話も。今も昔も変わらぬ女子の世界。そんな世界に付き合わされて、読み終えて、今「やれやれ」。2022/06/14