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内容説明
女は女というだけで貧乏になる――見えにくい実態を明らかに。/女子を貧困に追いやる社会構造のなかで、教育、キャリア、結婚、子育てをどう考えればいいのか? 専業主婦を目指すのがもっとも賢い選択なのか? 当事者が自らの境遇と客観的なデータをもとにその実態をあぶり出す。娘をもつ親御さんも必読!
目次
第1章 どうして女性は高学歴でも貧困なのか―二人の高学歴女子をめぐる現状(報告1 大理奈穂子 報告2 栗田隆子 ほか)
第2章 なぜ、女性の貧困は男性よりも深刻化しやすいのか?(女性の高学歴ワーキングプアは、大学院重点化とは無関係だった 博士問題において、女性研究者は常に見えない存在だった ほか)
第3章 女子の高学歴化は、彼女たちと社会に何をもたらしたのか?(女子は教育で幸せになれるのだろうか? 明治に始まった「女子に教育を!」という視点―人権回復への道? ほか)
第4章 女は女というだけで貧乏になるのだ(絶望の話 母の話 ほか)
第5章 「アート系高学歴女子」のなれの果てとして、半年を顧みる(私は「高学歴ワーキングプア」なのか 父の娘、芸術を志す ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
566
キャッチーなタイトルに惹かれてみた。ううむ、これを読んで娘を博士課程に送りたいと思う親は、多くはないだろう。わたしにも実は、ここで語られる人生のデフォ路線を走っている身内がおり。彼女は結局博士号には届かず、学歴は「単位取得満期退学」。それでも現在は、都内某大学で「専任」講師の職があるだけ恵まれている。性と実力のバランス、まだまだ日本のアカデミアには昭和どころか明治の空気が満ちている…著者さんらの愚痴に付き合いつつ、約60分のすっ飛ばし読書で理解できた。「平等」への道のりは遠い。2021/05/08
どんぐり
62
女子の高学歴プワーキングプア(大学非常勤講師)に光をあてた本。一般社会では、「学歴」は人生に豊かさをもたらすと信じられている。しかし、日本の女子にとっての学歴とは、高学歴男性と出会うアイテム、また母となった場合に身につけておくべき教養アイテムである。「高学歴女子の増加」現象が社会にもたらしたのは、決して女子の解放や自立などではなく、“女子枠”にはめる結果しかもたらしていないということだった。いくら政治家が女性の活用をと叫んでも、それは男社会で外面だけを繕ったアジテーションである。2014/08/31
佐島楓
55
この本を読んで、大学院進学の道を躊躇せざるを得なくなった。女性であること、研究者を志すことそのものがリスクだなんて・・・。2016/04/19
ねむねむあくび♪
55
図書館の本。ライトなタッチの文体に、弱冠げんなりしながら読む。4氏の共書ゆえか?、内容が現状の高学歴女子(主に文系大学院卒や、芸術系女子)の貧困を、訴えるものに終始していたのが残念。高学歴に関わらず、日本の社会構造自体が、女子の貧困(=低賃金の労働力)に支えられていると思うのだが…(^-^;。問題提議のみで、目新しい意見が無かったのは残念だった。また、院への進学自体が就職へのリスクを孕んでいる事を、女子うんぬん以前の、ポスドク問題として、理解していなかったのだろうかと疑問に感じた。2014/07/25
mazda
30
現役教授が一旦なってしまうと、その職を解かれることは稀というのは納得ですね(パワハラ、セクハラ、アルハラ、アカハラ勢ぞろいだった教授も、今では天下り先でのほほんとしてるのかな)。全体的に愚痴にも読めてしまいますが、ポスドクになるとそれに相応しい職がなくなっているのは間違いなさそうです。職がないから仕方なく上に行った人も多いと思うのですが、こうなると本末転倒な気もします。高等教育について、根本的に考え直す必要があるのではないでしょうか?2015/04/23