内容説明
年下に片思いする文系女子、不倫に悩む美容マニア、元彼の披露宴スピーチを頼まれる化粧品会社勤務のOL……。恋愛下手な彼女たちが訪れるのは、路地裏のセレクトショップ。不思議な魅力のオーナーと一緒に自分を変える運命の一着を探すうちに、誰もが強がりや諦めを捨て素直な気持ちと向き合っていく。「あなたといたい」と「ひとりで平気」をいったりきたりする女心を優しく励ましてくれる物語。ルミネの広告コピーから生まれた恋愛小説。
目次
あなたといたい、とひとりで平気、をいったりきたり。
悪い女ほど、清楚な服がよく似合う。
可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。
ドレスコードは、花嫁未満の、わき役以上で。
好きは、片思い。似合うは、両思い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
569
closetというセレクトショップに服を買いに来る、恋愛で悩む女性たちの短編。closetのオーナーのカナメさんが素敵。主人公に寄り添いながら的確なアドバイスをしつつ、主人公の状況も汲み取って言葉数少な目に優しい一言を添えてくれる、あんな店員のいる服屋なら通いたくなります。肝心の主人公たちの恋愛事情も試着をしながら答えを出していきその結末の話は描かれていないけれど前向きに進んでいこうとする主人公たちの未来を応援したくなります。2018/01/28
しんごろ
487
恋する女性は素敵だよね。そして恋する女性は綺麗になりますよね。そんな恋する女性をファッションでさらに綺麗にさせるショップの定員は魔法使いに見えました。恋して綺麗になっていく女性を応援したくなりますね。各編、最後の一文についつい唸りましたね。各編、読み終わるたびに、笑顔になれる作品でした。男女問わず素敵な恋愛ができますようにと祈りたくなりました。2018/12/13
ミカママ
411
そのタイトルからずっと読みたかったこちらを、ベストなタイミングで読めた。そうなのよ、洋服を買うだなんて、惚れたオトコはんのためだけに決まってるもの。中でも、『可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。』は、付箋だらけになってしまった。「彼がいたから、キレイになりたいって思えた。おしゃれする楽しさも、恋する気持ちも、思い出した」。コピーライターがお初に書いたという小説、恋しているあなたはもとより、恋から遠ざかっているあなたも、ぜひ。2018/08/04
ソルティ
336
ほっこりかわいい感じの恋愛がテーマの短編集。年下同僚男性への恋心の話がもう共感しまくりでした!やつらは「そういうつもりはないが親しみはある」という前提で、無邪気な笑顔で絡んでくる。いつまでも女心の中年女性は「え?何かあるの?」と勘違いをしてしまう。お互いの特性を知らないが故のすれ違い。痛い!恋したことある人なら絶対どこかに引っかかるはず!「九つも下の美濃田くんが、自分を女として見ているわけじゃない。それは、誰にも分け隔てのない彼の言動からわかる。それでもやっぱり、わたしは完全に恋愛の対象外なんだろうか。」2020/05/21
❁かな❁
252
読み終わって本を閉じる時にいくつになっても恋をするってやっぱり素敵だなぁって思いました♪渋谷区にある『Closet』というセレクトショップ。そこを訪れた女性達の5編の短編集。エピローグのお話とても素敵でじーんとして感動しました☆コピーライターとして活躍されている尾形真理子さんの小説家デビュー作!それぞれの女性が恋に悩んでいて色んな気持ちに共感できました♪このショップのカナメさんも同じように恋する女性で嬉しくなります♡人と違うのが個性ではなく自分らしいのが個性。自分をもっと好きになれる服が欲しくなりました♪2014/04/29