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内容説明
【凋落するエリート集団の「存在意義」を問う】本書では、他の日銀本のように、日本経済の長期低迷と金融政策運営の関係を直接的に取り扱うことはしていません。本書の目的は、金融政策論やマクロ経済論を展開することではなく、日銀という組織を論じることにあるからです。組織としての日銀の描写によって、机上や紙上の金融政策論には現れてこない、実際の政策運営の躍動感を感じていただければと思います。(講談社現代新書)
目次
第1章 日銀マンとは何者か―巨大組織に潜む「エリート意識」の構造(半官半民 組織に潜むエリート意識 ほか)
第2章 日銀という組織―なぜ人々は「過度な期待」を寄せるのか(日銀の目的 資金取引の総元締め ほか)
第3章 日銀の歴史と総裁たち―「財政・金融の分離」と「独立性」への疑問(日銀の創立 日銀の生みの親・松方正義 ほか)
第4章 最高意思決定機関への懸念―問われる審議委員の存在意義(政策委員会と審議委員 完全に担保されていない独立性 ほか)
第5章 日銀の孤独と悲劇―「独立性」と「共同責任」の狭間で(政策運営は共同責任のはずなのに スケープゴートにされる日銀 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
中年サラリーマン
16
こう言うとみもふたもないけど、仕組みをいくら修正しても不完全で最後はやっぱ人だなあ。日銀で働く人が職場に誇りを持てるようにし続けることが大事だと感じました。2014/02/02
メタボン
14
☆☆☆★ 日銀について基本的なことがわかる。タイトル通り、日銀は孤立無援の印象がある。インフレターゲットの金融政策は続いているが、消費税増税後の落ち込みが決して一時的な物でもない様子を見せており、日銀の異次元金融緩和は当面続けざるを得ないであろう。私はどちらかというと日銀バッシング派だったが、この書を読んで、少しだけ日銀に同情した。いつも狡猾なのは政治家であり、日銀マンはいたって真面目なのだ。エリート意識は玉に瑕だとしても。2014/09/03
むとうさん
7
日銀出身の民間エコノミストによる日銀論。著者も認めているが実際に知っているのは20年近く前の日銀(=旧日銀法下の日銀)なのでその辺は割り引いて読むべき。印象に残っているのはスタッフの士気とエリート意識の部分。総裁が5年または10年に一度しか出ないため、出世ルートがどこまで続くかを意識させることが士気の維持に重要…そう考えると官僚組織=事務次官が長くても2年なのは合理的なんだろうか。独立性を主張しないことが組織を守るという議論はあまり見たことがなく興味深いが、若干の出身者バイアスは否めない。2014/07/20
二輪病
6
日本経済の重要なファクターである日銀。著者は変人が集まりやすく組織的な弊害があること、そうした問題を補うものとしてエリート意識が大きな役割を担ってきた可能性を示した上で、そうした意識や業務の特殊性があいまいな独立性規定と相まって日銀を孤独な存在にしていると指摘。独立性の高さは時に組織の質を高めるが、同時に単独責任論を招来しやすい。一方で政府との共同体制に沿えば日銀不要論という自己否定を招く。終章で著者は、人材の流動性の面からこのジレンマの解消を試みているが長期的な維持を可能にする提案には難儀している様子。2014/04/13
mushoku2006
4
日銀マンと言うと、官僚っぽいイメージがあったんですが、 案外と東大卒の割合が低いのと、 トンガッた人材を採用している点、 ”攻め”型の仕事の仕方が評価されるというのも意外でした。 しかし、より鮮明に政府との共同責任体制となった今の日銀、 それが日本国及び日銀にとって、本当に良いことだったかどうか?は、 今後の歴史が決めることになるんだろうな。2014/03/02
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