内容説明
60歳を過ぎ、自分の死をはっきりと意識するようになり、無性に昔愛読した本を読み返したくなった。すると、学生運動が華やかなりし頃の’60年代と変わらない自分と、変わった自分があった。そこで、自分の人生を振り返り、青春時代に心を引かれた文学作品を読み返すことで、一生を総括してみることにした。本は奥浩平『青春の墓標』、アラン・フルニエ『さすらいの青春』、『新約聖書』、ロマン・ロラン『ベートーヴェンの生涯』、小松左京『日本沈没』の4冊。そこには、ひたすら内省する自分と、社会に「反抗」する熱い青春があった。
目次
1 奥浩平『青春の墓標』
2 アラン・フルニエ『さすらいの青春』
3 『新約聖書』
4 ロマン・ロラン『ベートーヴェンの生涯』
5 小松左京『日本沈没』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
13
面白かった。60年代から70年代の学生運動は、何だったのだろう。 第1章に奥 浩平『青春の墓標』を取り上げている。半世紀前の日本の大学では、マルクス・レーニン主義による社会主義運動に命を賭ける学生たちが、大勢いた。本気で社会革命を考えていたのか・・・? 最後の『日本沈没』を40年後に検証(?)した章も読みごたえがあった。とはいえ、日本の国家財政はもう数年で破綻する!と述べる筆者。根拠も提示していて、怖い。2017/11/26
Sato1219
3
著者の高本茂さんとは、大学4年の頃知り合った。社会人から大学院へ入り直した方で、すでに40代半ばの最年長の学生だった。背伸びをして大学院の授業を聴講していた私を可愛がってくださり、卒業後も著作を上梓されるたびに献本をいただいている。専門は経済学だが、そのうちに中島みゆき論などの文学論も出版されるようになり、「異色の証券学者」と呼ばれるようになった。なかでもロマン・ロラン「ベートーベンの生涯」論(途中でみゆき論に脱線する)や奥浩平論を読むと、氏の持ち味とは、遅れてきた青年ということなのかと思った。2014/01/26
かみのけモツレク
1
おもしろいけど言うことが極端2016/12/02