NHK出版新書<br> 転換期の日本へ 「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か

個数:1
紙書籍版価格
¥946
  • 電子書籍
  • Reader

NHK出版新書
転換期の日本へ 「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か

  • ISBN:9784140884232

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

世界的大家が見る、日本の過去・現在・未来
領土紛争、沖縄と基地、憲法改正、集団的自衛権、核・原発、歴史認識問題など、未解決の課題が山積する中、東アジア情勢は一層その緊迫度を増している。日本の選択はどこにあるのか。これまでと同様に米国への「従属」を続けるのか、アジア中心の新たな安全保障体制を構築するのか、それとも……。戦後日本の歩みに限りない共感を示す、二人の歴史家からの日本へのメッセージ。
■目次
第一章 サンフランシスコ体制――その過去、現在、未来 ジョン・W・ダワー
第二章 属国――問題は「辺境」にあり ガバン・マコーマック
第三章 [対談]東アジアの現在を歴史から考える

目次

第1章 サンフランシスコ体制―その過去、現在、未来(サンフランシスコ体制の歪な起源 問題を孕む八つの遺産 現在の不確実性 恐怖と希望)
第2章 属国―問題は「辺境」にあり(サンフランシスコ体制が生んだ「根本的問題」 沖縄―ないがしろにされつづける民意 馬毛島―秘密裏に進む軍事基地計画 八重山諸島、与那国島―四つの難題 尖閣(釣魚)諸島問題―五つの論争点
辺境の島々と北朝鮮―「正常化」交渉の挫折と核実験
「辺境」は「中心」へ)
第3章 対談 東アジアの現在を歴史から考える(属国の代償 歴史問題論争―戦争の記憶と忘却 朝鮮半島問題―核と拉致をめぐって 改憲―揺らぐ反軍国主義の理想 領土紛争と東アジアのナショナリズム 台頭する中国のゆくえ 「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

73
本書については、読書メーターで何度か呟いてきた。「読めば読むほど改めて暗澹たる気持ちになる。日本国憲法より安保条約が上。沖縄などを米軍駐留地として提供した昭和天皇。アメリカの属国となることで、平和を享受した日本」など。本書で強調されている点は、サンフランシスコ体制の問題。アメリカによるアメリカのための体制。「第二次世界大戦におけるアメリカ合衆国をはじめとする連合国諸国と日本との間の戦争状態を終結させるために締結された平和条約」それが作りだした戦後日本やアジアの体制。2021/03/12

marco

36
NHKからよく出しましたね、この本(笑)。なにより感銘を受けたのは、著者の二人の識者が日本人である私よりも、沖縄やこの日本のことを憂えていること。それも当然のこととして。それは、歴史を知るが故なのだ。日本人ではない二人の碩学の教えに、私たちは今こそ謙虚に耳を傾けるべきだろう。2015/11/29

James Hayashi

27
自分にとっては始めての昭和天皇の沖縄犠牲論にも触れている。沖縄人の怒りの原点とも言える。また竹島や尖閣諸島、大日本帝国が所有した南沙諸島の領有に関し、あえて米国は有耶無耶の記述にし、共産国との緩衝地帯とし、将来米国の介入のし易さを狙ったとの表記は目新しかった。「サンフランシスコ平和条約の盲点」原貴美恵。無人島である奄美大島の馬毛島の行方や与那国島への自衛隊配備(16年)など今後が注目。与那国は太平洋戦争の空白地帯であり、台湾と中国と日本の緩衝地帯でもあり米軍海兵隊を呼ぶのでなく自衛隊を呼寄せる。続く→2019/04/28

funuu

25
「吉田首相は講和条件発効後も米軍が日本に残ることにもともと反対であった。しかし、「基地問題をめぐる最近の誤った論争」と昭和天皇に非難され次第に方向を変えた。米軍の日本駐留の権利だけでなく、実際に沖縄を分離し米国の排他的戦略的支配下に置くことであった。皮肉なことに米軍駐留と沖縄分離支配は、総理大臣の意見ではなくかっての皇軍の大元帥であった昭和天皇の意志にそって進められたのである」容赦なき戦争、敗北を抱きしめて、とダワーの著作を読むと戦後日本の成り立ちが良く分かる。昭和天皇は冷徹な名君なのは確かだ。 2017/11/14

壱萬弐仟縁

24
1章 ダワー「サンフランシスコ体制」。 問題を孕む8つの遺産。 1沖縄と二つの日本。日本の潜在主権は認めたが、沖縄は米軍施政下に(29頁)。 2未解決の領土問題。北方領土。竹島。尖閣諸島。 3米軍基地。日本の域外へ米軍戦闘作戦行動に対する支持に注目している(42頁)。 評者は段階的に軍縮を望む。 4再軍備。米国の戦術計画や戦略政策に日本を雁字搦めにし、戦闘行為を否定するのに加担する(45頁)。 著者は再軍備の矛盾として、再軍備強化すれば米軍に貢献するという圧力を受けるとする。困るな。 2014/03/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7890619
  • ご注意事項