光文社文庫<br> 声を聴かせて

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光文社文庫
声を聴かせて

  • 著者名:朝比奈あすか
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 光文社(2014/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334766818

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内容説明

女手一つで娘の奈保子を育てた花江。その奈保子が出産のため里帰りしていた。かつて奈保子には弟がいたが、不慮の事故で亡くなっていた。過去の大きな喪失と、静かに向き合って生きてきた母娘の慟哭を、切なく繊細に描いた表題作。他に、幼稚園で他の子供とうまくやっていけない息子に苛立ち、人間関係に追いつめられていく母の孤独が胸に迫る「ちいさな甲羅」も収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なゆ

77
胸がきゅううう〜っと締め付けられた。『ちいさな甲羅』は、我が子のことよりも幼稚園のママ友たちの目ばかりを気にするようになる話。おゆうぎ会みたいのに弱い私は、ラストに泣けて仕方がない。『声を聴かせて』は、生まれて間もない孫の寝顔を眺めながら、産後の娘と3人の穏やかで幸せな時に、娘の口から聞かされた今まで言えなかったこと。昔話をする穏やかな空間に緊張感が加わる。生きるのに必死な母娘の、それぞれが闘ってきたこと。猫のミミがファンタジーぽい存在で救い。感情がリアルすぎて苦しくなるけど、やっば朝比奈さんは上手いな。2020/04/02

yumiko

64
胸の奥が切なく疼くようなこの感覚は何だろう。同じような経験をしたわけではないのに、この甘苦しい痛みを私はどこかで知っている…。きめ細かく繊細で、時として刺さるほどに鋭敏な心理描写が優れた朝比奈作品。今作も登場人物の心情が苦しいくらいにこちらに迫ってくる素晴らしい作品だった。特に二編目「声を聴かせて」が秀逸。祖母であり、母であり、娘であった自分をみつめ、母となった娘と亡くなった息子と母に思いを寄せる主人公の姿に涙した。大事な作品として、心の片隅にいつまでも残しておきたい。2016/04/05

*すずらん*

52
母と子。私にとって永遠のテーマ。なぜうまくいかない?何を間違ってしまったの?いつから気付いていた?どうして私達は…こういった叫びが随所から聞こえてきました。初読みの作家さんでしたが、彼女は心の機敏を描くのが本当に上手い!ぴりぴりと心が音を立てます。親子の関係は、その母親と祖母との関係が大きく影響すると思います。自分が嫌だと思っていた事、絶対にしないと思っていても連鎖してしまう。業の様なもの。だから苦しむ。その時母は、親ではなく子供に返っています。そして一生懸命聴こうとする。自分が封印してきた その幼い声を2014/01/27

えりこんぐ

38
表題作「声を聴かせて」と「ちいさな甲羅」の2編。どちらも母と子の話。「ちいさな甲羅」では、どんどん追い詰められていく栄子にわかるな〜と共感。保育園時代の密なママ友関係って、楽しいけど時につらい^_^; そして表題作は泣けた…。親に全力で隠さなければいけないことがあるって哀しすぎる(T_T) 朝比奈さんの作品やっぱり好き。2015/08/11

らむり

37
表題作より「小さな甲羅」の方が良かったです。読みながら過去の経験を思い出してしまって、ずっと昂ぶりっ放しでした。。2014/02/25

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