内容説明
百人一首には、恋の歌と秋の歌が多い。平安時代の歌風を現代に伝え、切々と身に迫る。ただのかるたと思うなかれ。人間関係、花鳥風月、世の不条理と、歌は深い世界を内蔵している。ゆかいに学ぶ、百人一首の極意。
目次
才女たちが行く
待てど暮らせど
春から夏へ
寂しい秋がいっぱい
冬はももひき
悩める男たち
哲学を歌う
こころの旅路
せつない恋
定型と天地有情
われ思うゆえに
ユニークな遊び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
76
こういう視点で百首を眺めるのも面白いね。歌と詠人を結びつけやすいかも。歌を覚えるのはそんなに大変じゃないけど作者は結構こんがらかるんだよね。ただ、本当に百首出てきたのかどうかはよくわからなかった。2015/08/28
お昼寝猫
70
お正月なので百人一首の本を連投😁洒落好きで博識な昭和オヤジが小倉百人一首を易しく解説してくれる。学術的な話はほとんどしないので気楽に読める。作者はブラックユーモア、ホラー、ショートショート、推理、歴史書などの著書もたくさんある文学界の重鎮だが、基本的に昭和オヤジなので下ネタやジョーク、軽めの会話文がたまにムカツク💢😅そこさえ我慢できれば読み易くていい本だと思う。2024/01/03
takaC
57
大江奏(瑞沢高校かるた部)の薀蓄からの連想で手近にあったこれを読んだが、これはこれで独特。2017/04/30
つねじろう
50
百人一首は祖母が田舎でお花の先生みたいのをやっててお正月にお弟子さん達が綺麗な着物でカルタ取りをしている中で混じって遊んでる時から好きだった。その音調や響きに日本の四季の多彩な色彩や女性達の吐息や衣擦れまで感じる。高校の授業でこんな色っぽいきぬぎぬの歌なんかを古文の先生が固く訳してたのが可笑しかった。そんな先生と対象的な阿刀田さんの語り口。千年以上も前の歌が今でもしっかり人の心を捉えて放さない魅力を現代風にわかり易く解釈説明してくれる。在原業平や紫式部が蘇るなかなか愉快な本でした。bugちゃんサンキュー!2014/01/09
かんらんしゃ🎡
44
人の想いを感じるのに教科書的な文法や助詞の解説は要らない。1000年前の匂いや空気を解りやすく通俗的に説いてくれるのがこの本だ。でも表紙とタイトルは人前ではちと恥ずかしい。2016/01/25