内容説明
「新型出生前検査」が日本に上陸
おなかの赤ちゃんの病気や障害を調べる出生前診断の技術が激しく進展している。2013年4月から「臨床研究」として始まった「母体血による出生前遺伝学的検査」は開始から半年で3500人以上が受けた。新しい検査技術をめぐって、いま日本では何が起き、どのような議論をしているのか?海外では何が起きているのか?技術がさらに進んでゆくと、どんなことが起きるのか?
様々な現場を訪ね、葛藤する声を記録した。
私たち女性にとって、子どもを産むことが幸せな経験であり続けるためには――
誰もが差別されず、祝福されて生まれてくる社会をつくるには――
急速に進化する技術と向き合い、深く考え続けるための、渾身のリポート。
目次
はじめに
Chapter1 プレゼンテーションは「相手を動かす」もの
Chapter2 すべての問題は3つのタイプに分類できる
Chapter3 メッセージが伝わるデザイン
Chapter4 プレゼンターが身につけておくべきテクニック
Chapter5 本番で平常心を保つには
Column 社内文書・A4レポートのフォーマット
Column トップ・ダウン型の説明はこうやる
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
7
何を行うのにも、必ずリスクはついてまわる。その行為に対するリスクを理解し、受け入れた上で実行するなら例えどのようなものであってもひとつの選択とは言える。しかし、ただ表面的な情報を収集するだけで底に潜むリスクを踏まえていないとすれば、そのような状態で選択させることは悲劇を引き起こす可能性がある。2014/03/30
マイケル
4
充実した海外取材と読みやすい文章で生命倫理の問題について考えてみたい人に推薦。出生前診断を優生学ではとストレートに質問している点に好感。検査結果で96%が中絶選択しダウン症児が減ったフランスや英国。個人の選択だから優生学では無い? ダウン症児の親の調査では99%がダウン症の子を愛しているとの結果。ダウン症が結構長生きするためコスト掛かるため検査で減らすべきと言う功利主義的意見。ロングフル・バース訴訟については、その後「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子(河合香織著)」で日本でも。参考文献も充実。2020/05/04
ヒナコ
3
フランス、アメリカ、イギリス、日本における出生前診断の歴史と現状が淡々と抑制された文体で綴られている。出生前診断における優生学や女性の自己決定についての強調点の違いなどは勉強になった。 有性生殖で個体を増やす生物は、どうしても種の中の遺伝子の多様性を持ってしまう、という現実をどう評価するのか。そして、遺伝的なある特性だけが生きやすい社会を前提に、産まれるのが望ましい次世代の個体を選ぶの合理的な判断なのか? 著者の問いは暖かく、その視点は実際にトリソミーを持って人生を過ごす人たちに向けられているようだった。2019/06/03
Uzundk
3
命を選ぶと言うことについての今。 実際のところそれを優生学的な圧力と取るのか、各個人の自由と取るのか、倫理道徳の統治案件とするのか、誰もが決めかねているのが分かった。 フランスでは政府が個人の知識よりも前に検査の義務づけによって優生学的思考に誘導しているという批判があることが興味深いと思った。 私としては、問いが重くても両親となる二人の決定に委ねられて、それを責めることの無い社会であることを願う。その決定と負担のバランスをどう取るかは"恵まれた"現代だからこその悩みとして議論を深めて行けたら良いと思う。2014/09/15
Snowgirl
3
フランス、イギリス、アメリカ、日本の事情を、丁寧に取材をして書かれている。わたしは未婚だが、高齢出産と呼ばれる年齢になり、今後もし妊娠することがあったらさてどうするのだろうかと、考えさせられた。「検査を受けるor受けない」「(陽性確定時に)産むor産まない」、妊婦がどんな選択をするとしても、誰も責められない社会であってほしい。2014/03/16




