内容説明
豪華ツアー「日本の異国」に参加していた夫婦が、神戸の異人館街観光中に姿を消し、二日後に夫が25メートルの円の中心で「公開処刑」されてしまう。次は妻の番だ……。十津川は他のツアー参加者四人――定年の男、IT企業社長、飲み屋経営の母娘――の中に犯人がいると睨む。犯人の動機と25メートルの謎とは。十津川は命を賭して犯人に向かう!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
139
読んだ方の誰もが同感だと思いますが捜査会議での三上本部長の十津川警部に対する失礼な物言いは本当に不愉快で「あんたは実際には何も考えずにいつも唯文句を言うだけでいい立場なのだろうけど少しは部下の苦労をわかってあげてもいいだろう!」と腹が立ちましたね。一昔前の横溝正史の名作「獄門島」を想起させる様な凝りに凝った異様な雰囲気を現代社会の舞台で演出するミステリーの創意工夫を創出した点で著者は讃えられるべきですし、フーダニットの面で気合十分の稀に見る出色の出来で最近読んだ作品中では最良の手応えを感じ大満足でしたね。2018/02/05
Walhalla
23
神戸の豪華ツアー中に起きた事件を追う物語です。著者の神戸を舞台にした作品を続けて読みましたが、どちらも震災がこんなふうに扱われていて、ちょっと残念な気がします・・。2024/03/05
ごへいもち
10
時間の無駄2015/06/02
ビスコ
6
殺人方法が奇抜的すぎて(きちんとストーリーに組み込まれているとはいえ)、戸惑いを覚える。山田悠介の話にありそうな、デスゲームのような殺人方法。しかし、作品のテーマ自体は非常に重く、なかなか考えさせられる。執筆当時は、まだ東日本大震災前だったが、東日本大震災でもこのようなことがあったのだろう、と思うと、人間の宿命のようなものを感じる。 自分が、阪神淡路大震災後に産まれた人間ということもあって、もう「教科書の中の歴史」へと移り変わっていることを実感してしまう。2014/06/25
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
2
2013年12月20日 初版2015/12/25