中公文庫<br> 刑事さん、さようなら

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中公文庫
刑事さん、さようなら

  • 著者名:樋口有介【著】
  • 価格 ¥733(本体¥667)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122058859

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内容説明

「結婚したい女ができた」と明かした十日ほど後、警官が自宅で首を吊った。その二日後、河原で風俗ライターの死体が見つかる。後輩の自殺に疑問を抱き独自に聞き込みを続けていた警部補・須貝は、二つの不審死をつなぐ“女A”の存在に行き着くのだが――。「善人の罪科」と「悪人の正義」が交錯する、美しくも哀しき愛の物語。33万部突破『ピース』の著者が警察組織の歪みに迫る傑作ミステリー、待望の文庫化!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

77
読友さんのレビューに惹かれて、『ピース』以来の樋口さん二冊目。警察組織の秩序を乱さず要領よく立ち回る須貝警部補。寂れた歓楽街の焼肉屋で小さな幸せを感じながら働くヨシオ。何の繋がりも感じられない二人の視点で交互に日常が描かれていく。淡々とした語りからの終盤の急展開にゾクリ。タイトルの意味がわかった時、ある人物に抱いていた違和感がサーッと氷解した。伏線が見事。読み手を選びそうだが、私は結構好きだった。タイトルが作中のセリフで出てくるのも好み。出てきた時のウォーという瞬間がたまらない。2016/08/23

はつばあば

66
本の始まりは老夫婦の介護疲れによる殺人。この出だしに味がある。年季のいった刑事は老夫婦で、介護は警察機構の疲弊した状態。(なんて思うのは酷いかな。)その合間に施設育ちの、ちょっとボーダーなヨシオの日常が。ほんの少しのお給金で幸せだと思う。受けた親切に神様に感謝する、夕美の下の世話まで何の見返りもなくただ休ませてあげたいと。無償の愛が殺人を招いたけれどスッキリした終わり。須貝刑事もそれなりに人間らしくて良かったんだけど、組織に呑まれたのがいけなかったなぁ。警察以外の組織もこんなものなのかな・・。2016/10/25

さっとる◎

43
【警察小説祭】一番いいのは背表紙の粗筋かも(笑)。「善人の罪科」と「悪人の正義」が交錯する、美しくも哀しき愛の物語。この本をまとめると確かにそうなのかも?ただなあ、組織(会社)を守る、自分を守る、それはそれで勿論なんだろうけど、その警察の在り方に魅力が感じられず残念。自力で大事なものを守るしかない、そのためにすることはひとつしかない、その現実が哀しい。とりあえず今の幸せを守る。そうやってみんな生きているのだとしても。2016/08/14

おかむー

29
初読みの作家さんなのだけれど、なんというか起伏がないと感じるのは文章のせいなのか内容のせいなのか。『もうすこしです』。須貝の「さようなら」の場面に差し掛かるまで全てが淡々と描写されすぎてて、タネ明かしに唐突すぎる印象をぬぐえない。それでも読み進めるペースが鈍ることなく結末までたどりついたのはよい作品だったのか、それともどんでん返しを期待してたら返らないままだったのか?警察の汚さとか様々諦めながらも生きる底辺のひとびととか考えさせられる部分もあるけれど、良いとも悪いとも言い切れない不思議な作品でした2014/01/20

Kazuko Ohta

28
『ぼくと、ぼくらの夏』にハマって大人買いしたけれど、積んだままにしているうちに著者が亡くなってしまった。そんな歳でもなかったのに。10年前に刊行された本作を読みはじめたら、そうそう、私はこの丁寧さが好きだったと改めて思う。若干の知的障害があるとおぼしき彼のワイズクラックな話し方には『枯葉色グッドバイ』を思い出したりも。小説家としてなかなか芽の出なかった著者が自宅で亡くなっているところを発見されたと聞くと、悲しい人生を想像してしまうけど、幸せかどうかは人が決めることじゃない。本作のヨシオを見てよりそう思う。2023/11/20

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