内容説明
系統的にヒトに最も近いチンパンジーとボノボ。チンパンジーは群れの中に激しい競争が存在し、攻撃性も強い。一方、ボノボは群れの内外で争いを避ける平和主義者だ。なぜこんな違いがあるのかの分析を通して、人類の起源と未来を考察する。
目次
第1章 熱帯雨林のボノボの暮らし(本当はボノボでいたんだけど 豊かな森で 和気あいあいのボノボたち)
第2章 性の進化の袋小路(放浪するメスたち 発情しなくなったメス)
第3章 オスたちの競合をどう抑えるか(チンパンジーに見るオス間の争い ボノボのメスのニセ発情 核家族:ヒトの専売特許)
第4章 集団の壁を越えた戦い(ヒト科三種の戦争と平和 最強の類人猿、ヒト)
エピローグ ヒトはボノボでいられるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
27
★★★ 群れの有り方は、メスの性戦略による(人間も含めて)って話。ゴリラやオランウータンも含めて知りたい。ボノボってピグミーチンパンジーの事だって知らなかった。2017/08/28
Norico
11
ヒトに一番近い類人猿、ボノボとチンパンジー。見た目はほとんど一緒でも、集団でのリンチがあったり攻撃的なチンパンジーと、集団で過ごすことを好む平和主義のボノボ、全く違う道を歩んでる。どっちの性質も持ってるヒトたちはどこに進んでいくんだろう、と考えさせられます。ボノボ的ではありたいなぁ2014/03/16
樋口佳之
8
人間の男女に生得的な攻撃性の違いがあるなどといえば、目くじらを立ててそれに反対する人もいるかもしれない。しかし先に述べたように、高等動物のオスとメスでは基本的に攻撃のもつ意味が違っており、私たち生物は、そういった違いのもとに何億年ものあいだ進化を続けてきている2017/08/10
しゅう(callette)
7
一番面白かった切り口はヒトの集団が2重構造になっている、というところ。 一応専門にしようとしている分野なので知識はあったが、「集団内の闘争は防げても集団間の闘争を防ぐように進化していない」という見方が新しく感じた。「現在」も長い長い歴史の流れのなかにあるのだ。 こういう本こそ中学校の図書室に欲しいよね。2014/04/03
ももせはる
5
「新世界より」を読んでボノボの生態に興味を持って読んでみた。 熾烈な競争社会の袋小路に迷い込もうとしている私達の社会は、チンパンジー型なのだろうか。ではボノボ型の社会とは…? 今の私たちが脆く危うい攻撃抑制の中で生きていること、今後、爆発的な人口増加や環境の変化により、その攻撃抑制が取り払われたときのことを考え恐ろしくなった。 ただ、それでも人の中にあるボノボ的性質に期待をせずにはいられない。2014/08/28
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