内容説明
結衣は殺された家族の仇を討てるのか。
五年前に源太と江戸に逃げてきた三村結衣は、徳蔵親方に拾われ、仏壇師の仕事で暮らしていた。
しかし、結衣には殺された家族の仇を討つという思いがあった。
下沢藩の御馬頭取の家に生まれた結衣は、聡明で身体能力にも優れていたため、隠密となっていた。そんなある日、他の何人かの隠密の家と同様に、一晩で家族を皆殺しにされたのだ。何者がいったいなぜ?
修復した仏壇を納めにいった先で、父の部下が不審死したことを知り、事件について調べ始めると、しだいに、藩の中枢にいる者による不正の数々が明らかになってきた。そして主流派と反主流派の争いに留まらない、権力維持のための黒い構図も、見えてきた。結衣たち家族の殺害も、藩の不正を調べていたことが背景にあったことがわかってくる。
自ら家屋に忍び込み、闇の核心に迫っていく結衣は、何者かに付け狙われ壮絶な斬り合いとなる。
仏壇の前で、復讐を果たすために人を殺してもいいのかどうか思い悩む結衣。また、江戸で再会した藤代弥一郎への思いも再び募って……。
はたして、結衣は家族の仇を討つことができるのか。
新進気鋭による書き下ろし時代小説、熱く登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかんべ
3
浅野さん初読み。こんなに藩のために働いていたのに、この仕打ち。どこまでが敵なのか読みほどに分からなくなって行く。シリーズ化され、二人に明るい未来は来るのか?弥一郎の関係も気になった。2014/02/25
ワッピー
2
元隠密の美しきヒロインが、藩の陰謀に巻き込まれ、家族を皆殺しにされ、幼馴染とともに江戸に潜伏。再び藩の政争に巻き込まれ、過去の陰謀が明らかになってくる…美貌で腕もたつが、決して無敵のヒロインではないあたりのリアリティと、隠密として、また脱藩者としてとどまらなければならない一線を知悉しつつも、そこからはみ出そうとする感情の葛藤がテーマですね。時代小説という枠の中で納まるのだろうか?今後の展開はとても気になります。そっちに行くと危ないのになぁ~2014/01/26
aki.s
0
2014/03/16