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内容説明
かくも不可解な「自閉症」に学際的に迫る!
自閉症は100人に1~2人はいると言われるが、謎は多い。
・自閉症の徴候はだれにもあるのに、なぜ障害とみなされるのか?
・自閉症の発現率が急増しているのは、なぜか?
・自閉症は遺伝か環境か?
・自閉症は、人が本来もっている人格の一部であって、治癒させる必要があるのか?
などの謎に、精神科学、医工学、心理学、遺伝学、社会学などから、学際的に最前線の成果をわかりやすく報告する。
目次
自閉症をめぐる五つの謎
第1章 自閉症は治るか―精神医学からのアプローチ
第2章 遺伝子から見た自閉症―分子遺伝学からのアプローチ
第3章 自閉症の多様性を「測る」―脳科学からのアプローチ
第4章 自閉症を取り巻く文化的側面―心理学からのアプローチ
第5章 社会的なものとしての自閉症―社会学からのアプローチ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kohei Takamuko
5
金沢大の自閉症研究者が共著で様々な観点から自閉症を論じた一冊。特に示唆的であるのが、「自閉者のなかでは定常発達者が馴染めない」という一節。自閉者は「たまたま」「少数派」であるゆえに多数はとの対話がうまくいかず、ゆえに自閉は「障害」として定義される、という論理の運び方は定常発達者からすれば疑問符がつくかもしれないが、自閉者からすれば非常に受け入れやすい。この感覚を定常発達者にも持ってもらいたいが、難しいと思うのでまずは共感ではなく理解のために一読を勧めたい。2014/10/04
Penn
5
以前から、自閉症は『地球へ!』に登場するミュウではないかと思っていますが、本書で「自閉症児が定型発達児よりも、脳の多様性が高い」とされていることを知り、その思いを強くしています。評価基準の一つであるコミュニケーション障害すら「多数派かどうか」という問題に帰着される可能性すらあり、「もし未踏の文化圏で、自閉症の症状をもつ人がより質の高い生活を送ることができるような、全く新しい障害の受け止め方が存在するならば、むしろ我々こそが、そこから学ぶべきことがあるのではないでしょうか」との結びに、目から鱗が落ちました。2014/07/11
林克也
5
自閉症の研究最前線報告という本書の趣旨はよく理解でき、執筆された各先生の研究成果を興味深く読まさせていただきました。さて、”病気”ではない自閉症であり、それ故”治る”ということもないことは頭では解っていても、我が息子が、これからこの歪んでしまった日本、そして世界で生きていくにはどうしたらいいのか・・・・・・明るい展望は見えません。2014/01/30
がりがり君
4
自閉症というのは虹の色と同じでざっくりとしたくくりなのだということで納得した 2018/01/19
epitaph3
4
超速読にて読了。治療、オキシトシン、自閉症のアイデンティティを読み直す。2013/12/30