内容説明
激しい〆切中でもやっぱり美味しいものが食べたい! 漫画家・安野モヨコが自らのどうにも止まらない「喰い意地」を描いた、初の食べ物エッセイ集。
口癖は「お腹へった」。昼ごはんを食べながら夕食のメニューを考えるほどの食いしん坊な漫画家・安野モヨコさん。激しく〆切中なのに編集者の目を盗んでディナーの予約を入れ、数々の差し入れをモグモグ。友人が遊びに来れば、冷蔵庫が空っぽになるまで料理をし、ベジタリアンの夫の好物である豆を煮る。散歩のときに何か食べたくなって鎌倉のお店を食べ歩き、おいしいものを存分に食べるため、絶食ダイエットに挑戦……。こんな、どうにも止まらない自らの「くいいじ」を描いたエッセイ集。安野流簡単レシピやお気に入りの調味料、器もちょこっと紹介します。
目次
第1章 晩夏から秋(冷やしたぬきとかりんとう 茗荷と刺身のツマ おもてなし ほか)
第2章 冬から早春(鍋 食事の好み 漫画と食事 ほか)
第3章 春から盛夏(京野菜 空豆 パーティー ほか)
第4章 秋から立冬(エア料理 バターナッツ 百足 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
219
食べ残しなんてできない。食べきりたい。読んでいるだけなのに満腹感を味わう。子どもの頃、藤棚に葡萄がなると思っていたほどの、くいいじ。空腹のときは何でも美味しく感じられる不思議。今食べたいものを食べられることの幸福。焼きの色、茹でのほぐれ、蒸しの湯気、炒めの勢い、揚げの音。炊きたての白米、芳醇な香り。とりあえずのビール、ハイボール。ダイエットは痩せるためではなく食べるためにするもの。寝る前に読むとお腹が空くのでご注意ください。美味しそうな絵も沢山添えられております。一年でこんなに食べた!そんなエッセイです。2023/07/03
ぶんこ
63
「食い意地」の言葉に反応して図書館予約した時は元気一杯、美味しい物食べたい感に満ちていたのですが、待っている間に体調崩し、消化不良で少ししか食べられなくなりました。著者も断食されたようで、私の経験からそれが原因の一つで食が細くなったのではないでしょうか。「食い意地」がはっている者には厳しい現実です。忙しいお仕事のなか、かなり料理されてて驚きました。それも毎日の食卓に出てて欲しいようなものばかり。薄切り蓮根の梅和えは試したい。著者の漫画やエッセイ等々全く知らなかったので興味が出てきました。2017/07/06
蒼伊
63
文庫本にて再読。食べたものが体を作るじゃないけど、この先何回食事が出来るかと考えたら、やっぱり食べたいものを食べれるときに食べたいと思う。食べたいものとは、つまりは「体が欲しているもの」であって、その時体が必要としているものを、素直に食べていきたいと思う。2014/05/19
k5
59
GWはどこにも行かずマンガを読んで過ごしたのですが、中でもハマったのは安野モヨコ。『後ハッピーマニア』を起点に、懐かしい『花とみつばち』『働きマン』、初めて読む『鼻下長紳士録』とか電子でまとめ買いしてしまいました。その流れでこちらのエッセイも。巻頭のグラビア部分に谷崎の本が写っていることが示すように、かなり意識高く「随筆」レベルを目指した一冊で読みでがあります。食べ物の絵もすごく美しいのでおすすめです。2023/05/22
くろにゃんこ
59
読み始めてあれ・・・?作者を間違えて手にしました(^^ゞでもあの『働きマン』の漫画家さんなのですね。食べるの大好きで季節ごとの美味しいものあれこれのエッセイは読んでいて楽しい♪食べることって嬉しいものね。食べられるときにどんどん食べておこう!!と現状を顧みずに心に決めた読了です。2017/02/01