角川文庫<br> 最近、空を見上げていない

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角川文庫
最近、空を見上げていない

  • 著者名:はらだみずき
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • KADOKAWA(2013/11発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041010846

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内容説明

その書店員は、なぜ涙を流していたのだろう―。ときにうつむきがちになる日常から一歩ふみ出す勇気をくれる。本を愛する人へ贈る、珠玉の連作短編集。(単行本『赤いカンナではじまる』を再構成の上、改題)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

129
出版社の営業マン、作本を軸に描かれる本にたずさわる人たちの4つの物語。とても良かったです。どのお話も淡々と、どちらかといえば地味な感じで進んでいくんだけど、読み終えたあとにじわっと胸にくるものが。特に「美しい丘」のラスト「将来の夢 本屋さん」にはやられました。解説がまた良かった。普通の生活のなかの「最高の日」。それぞれの「最高の日」を描く読後感爽やかな短編集でした。2022/07/24

紫 綺

128
単行本『赤いカンナではじまる』を再構成して改題。表題の話が新たに加えられたもの。大きな強弱があるわけでもない普通の話なのだが、なぜかほっこり胸を打つ・・・そんな連作短編集。2014/11/22

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

125
目の前の事に追われて余裕をなくしたり、自分に自信が持てなくなると、ついうつむきがちになってしまう。そして、ハッと気づく瞬間があるのです。〈最近、空を見上げていないなあ〉と。零細出版社の営業マンを主人公に、本に関わる人々との交流を描いたやさしい連作小説集。素敵な棚を作る書店員が物語の書き出ししか読まないのはなぜ? 一軒の小さな書店に拘る作家の理由は……。再販制度・委託販売を採る日本の出版流通では出版社の営業マンの仕事は微妙で、だからドラマを生むのでしょう。どんな本にも携わる人の人生が投影されているのですね。2014/12/03

新地学@児童書病発動中

113
出版に携わる人々を描く連作集。出版社の営業職のように、目立たないところで地道に働く人々を丁寧に描き出しており、好感が持てる。どの物語も一生懸命に生きている人に対するエールになっており、胸が熱くなった。「最後の夏休み」が一番好きな作品。掃除機売り場でアルバイトをする主人公が、クラスメートの女性に会ってザリガニを探すことを依頼される。「僕」はザリガニ探しに奮闘して、何とか大量のザリガニを見つけるのだが……。夏の日の青春の1ページが鮮やかに心に刻まれる作品。愚直な僕の行動が、彼の未来を開くところが素晴らしい。2018/08/20

Shinji

101
確かに新刊の本が出版されるからといって、自動的に書店の棚や平台に本が入る訳じゃない。営業マンも編集者と同じように作家と読者を繋げる大事な役割。 たとえきっかけがどうであっても本を愛する資格を持ったキーマン。出版社の営業マン 作本龍太郎(サクちゃん)の日常。 普通といえばそうかもしれないけど、本好きにとっては書棚の前で書店員さんが泣いているなんて劇的な出来事でしかないよ! サクちゃんの正直さが優しさを呼ぶんだろうね。「美しい丘」の青年と踊り子の絆に胸元が暖かくなりました。前を向ける連作短編集です♪2016/04/29

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