PHPビジネス新書<br> 円安幻想 - ドルにふりまわされないために

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PHPビジネス新書
円安幻想 - ドルにふりまわされないために

  • 著者名:浜矩子
  • 価格 ¥789(本体¥718)
  • PHP研究所(2013/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569814445
  • NDC分類:337.21

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内容説明

自国通貨の価値が下がって喜ぶ……。よくよく考えれば、これって、おかしくない!?

 「円安はデフレ脱却をめざす国内政策の副産物だ。自国通貨安を意図して追求しているわけではない」――これが公式見解でありながら、「アベノミクス」がデフレ・円高からの脱却をめざしていることは疑いない。銀行券を市中に大量に送り込んで経済のバブル化を煽り、日本銀行は市中から継続的に大量の国債を吸収しつづける。

 そもそも債権大国である現在の日本が、なぜことさらに自国通貨高を嫌うのか。日本のように大きくて豊かな国が、自国通貨のダンピングで成長効果をねらうというのは、いかにも品位に欠けはしないか。それではグローバル競争に負けてしまう。そう思う向きもあるだろう。だからといって国々が身勝手な行動をとると、結局のところ世界経済に必ず軋みが起きる。成熟経済大国には、それにふさわしい身の処し方があるはずなのだ。

 ところが、政府・日銀の政策担当者ばかりではない。私たち国民一人ひとりが、いつの間にか「円高=悪」「円安=善」と洗脳されていないだろうか。自国通貨の価値上昇をつねに嘆き、その価値の低下に必ず祝杯をあげる条件反射的行動には、やはりどこかに履き違いがあるように思えてならない。

 いったい日本人は、いつからこの不思議な体質に蝕まれているのか? あらためて円の歴史をたどりながら、この「不条理な円安」の行き着く先を占う。われらが円の通貨史をひもとけば、いかに円が苦労に苦労を重ねていまのポジションにたどりついたのか、そして何より、円の信用力はいまや日本人が思っている以上に絶大だということがわかるだろう。

 このまま円は下がりつづけるのか? 日本経済にとってプラスなのか? 私たちの生活は、ほんとうにラクになるのか!? 経済政策の大いなる変化に当面する私たちの最大の疑問に人気エコノミストが答える。

目次

第1章 私たちをふりまわすのはドルじゃない!?(円の価値はYENが決める 円の値段はホントはいくら?)<br/>第2章 「インフレ狂騒曲」はくりかえす(陰陽道と通貨の共通点 通貨が生まれ、インフレも生まれた 「借り物通貨」を選んだ日本人のユニークな実利主義 大江戸「インフレ顛末記」)<br/>第3章 信用できる通貨に向かって(黒船に押しつけられた最大の不平等 紙幣はなぜ信用できるのか 日本銀行の誕生)<br/>第4章 「円高アレルギー」の原点(金本位制終焉物語 ハイパーインフレの末路 ついに来た1ドル=三六〇円時代 日本の「大人になりたくない症候群」 御足の具合はいかがでしょうか?)<br/>終章 通貨は武器ではない―あとがきに代えて