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内容説明
2009年のギリシャに端を発し、もぐら叩きのように繰り返される債務危機と、「too little, too late(少なすぎるし、遅すぎる)」と評されるEU首脳たちのドタバタ劇。ドイツ、フランス、イギリスなど主要国は同床異夢で、南欧諸国の放漫ぶりに北欧との溝は深まるばかり。第二次大戦の教訓に始まる大欧州という理想像は、もはや崩壊の途にある――その歴史と、近年の混乱の本質を探る現地最新レポート。
目次
1 ギリシャ危機は悲劇か、喜劇か
2 ドイツ、フランス、イギリスのこじれた三角関係
3 まとめ役不在の大欧州の進路
4 台頭する右翼、左翼への郷愁
5 新盟主ドイツはどこへ行く
6 ロシア・マネーで乱れる足並み
7 ECB・欧州中央銀行の蹉跌
8 南欧大国の没落
9 EUの内部対立と未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
川越読書旅団
31
この程の「Brexit」:ブレグジット;英国のEU離脱が確定する4年も前のEUの不協和音具合を描くレポート。EU内における経済格差と政治的軋轢を明瞭に描写。ブリグジットがいよいよもってのEU崩壊の契機にならない事を祈るばかり、、、。2017/04/30
calaf
10
私は、欧州には一度も行ったことがないのですが、ユーロ圏というのは今現在もいろいろと動きがあるようです。そして、何となく漠然と思っていた以上に深刻な事態が続いているように思えました。果たして、EUあるいはユーロは今後どうなっていくのか...2013/12/23
skunk_c
7
イギリスのEU離脱3年前の書で、「ギリシャとイギリスどっちが先に離脱か」なんて書いてあるのが時世を感じさせる。ベテラン・ジャーナリストの筆によるだけに軽快で読みやすい。ただ、余韻がほとんどないのは、書かれたあとの3年を見ているからなのかな。それよりEUという組織についての根本的な説明がほとんどなく(本書の役割ではないとは思うが、基本は押さえて欲しかった)、トピカルかつネガティヴな話題と、政治家達の個性にウェイトをかけすぎた論評が中心なため、著者自身の考えの「芯」が見えない。やや新自由主義的な香りは漂うが。2016/08/15
ceskepivo
7
日本の報道では、EUは統合が進んでおり、日本の手ごわい相手になると印象だが、EUはEUで「南北格差」等のひずみが生じている。ただ、困難があっても統合しようというエネルギーは侮っていはいけない。2014/06/01
taming_sfc
2
刺激的なタイトルの新書。ただし、内容についてはヨーロッパに住む筆者の肌感覚が伝わってくる文章となっている。ギリシャに対する欧州人の感覚、独仏英の現在の指導者間の不協和音、メルケルによるEUガバナンスの限界、極右と左翼によるポピュリズム、など、理論的でもないし、さして新しい議論もないが、初学者が今のヨーロッパの風を感じるには、いいかもしれない。しかしタイトルである『EU崩壊』とは、どうなんでしょうね。新書を書くときは、このくらいのタイトルにしないと、売れないのかしら。2016/08/30