- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
現在、大学入試改革が検討されている。目指す方向は、論述式の試験を廃止して、マークシート形式の試験とAO(自己推薦)入試だけにするというものである。しかし、この方向は、「感情優先」の学生を大量に生み、これからの時代に必要な「論理的に考え、書く力」を奪ってきた。なぜ、時代と逆行するような教育が目指されているのか。本書では、消費増税、経済成長率など、新鮮な題材を用いて「現代に必須の能力」を考える。
目次
第1章 ゆとり教育の「負の遺産」(1991年というターニングポイント 「お客さま扱い」に慣れた大学生 ほか)
第2章 マークシート式問題の本質的な弊害(国語のマークシート式問題を考える 答えを当てる技術がものをいい、良心的答案は不利になる ほか)
第3章 教育と入試のあるべき姿(「ゆとり教育」の本質は教育の格差拡大 すべては国語教育の充実から始まる ほか)
第4章 論理的に考え、書く力を磨くために意識したいこと(グローバル化時代で大切なのは論述力 論理的に考えることの仕組み ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
119
2018/12/20 Amazonより届く。 2020/7/8〜7/11 先日読んだ「%が分からない大学生」に続き、芳沢先生の本を読む。数学力の低下がさまざまな問題を引き起こす、というのは同意。もっとも、そんなに高等な数学でなくても、数学的思考のようなものはもっと磨くべきであろう。タイトルに「書く力」とあったが、ちょっと言い過ぎか?「考える」は良いと思うけど。 2020/07/11
Prince of Scotch
19
先月読んだ著者の別書『「%」が分からない大学生』とほぼ同趣旨の内容である。「比と割合」の概念を理解しておらず、算数や数学の「非言語系」の教科が非常に弱い大学生が増えている現状を芳沢氏は嘆いている。計算や暗記のみに依拠した数学ではなく、本質を把握し解答にいたるプロセスも丹念に追ってゆかねばならないと力説する。そのために土台となるのが「国語力」。「非言語系」である数学の実力を向上させるには「言語系」である国語力の充実をはかることが必須であると主張している。2019/11/06
ふろんた2.0
19
佐藤優氏推薦図書。3分の1まではついていけたんだけど、三角関数あたりからさっぱり。分数の計算もできない学生を馬鹿にしても自分も大差ないな。2016/01/29
marcy
12
算数・数学の指導法やテスト法に加え、日本の公立教員採用問題の闇についての言及もあり、発見がたくさん。数学者つまり科学者の著者らしく、定義や原則に厳格であり、同時に正確な伝えることへの意欲の強さがヒシヒシと伝わってくる。あいまいな理解や生半可な解法に妥協することなく、正確を期して教育すべしとの力強いメッセージ。「基礎」が何よりも最優先であり、着実に習得することの意義を説くさまは、なにかと効率化や近道を求めたがる現代人を戒めるものである。引き続き著者の作品を手に取りたい。2023/05/22
ひで
7
佐藤優さんの著書で紹介されていたので、手に取りました。根っからの文系人間の自分にはなかなか難しい内容でしたが、数学的考え方の重要性を感じました。2019/12/18




